| | 20人が参加した昨年11月のソウル・本国セミナー
| | | 地方で最初に開設された「センターおかやま」 |
さらに充実、きめ細かく 税金や相続、婚姻や戸籍整理など、在日同胞であるがゆえに直面する韓日2国間にまたがる複雑な問題の解決に向けた支援を目的に「みんだん生活相談センター」は、2007年7月17日、中央本部に設置されました。 現在、弁護士・税理士・行政書士・司法書士など、45人の専門相談員が在籍し、団員はもちろんのこと、団員以外の人々からの個別相談にも応じています。 一方、地方本部にも相談センターが設置され、全国的な広がりを見せています。地方は13年の岡山を皮切りに最近3年間で9カ所に開設され、それぞれがその地方ならではの特色を発揮しながら、誠実で着実な活動を展開しています。 民団の諸般事業の中で、最も在日同胞の生活に密着した事業である「みんだん生活相談センター」の歩みと実績、活動内容を紹介したいと思います。 在日同胞の皆様におかれましては、何かあれば各地の相談センターに遠慮なく連絡して下さい。私たちは本年も地方相談センターの開設を積極的に進めて行く所存です。 中央所長・金昭夫 ■□ 中央
税金、相続、婚姻、戸籍整理など 「悩み」解決します 開設から今年で10年目を迎える中央相談センターでは、年間の相談日数が平均220日にも達する。 中央では相談員の中から専門分野別に6人の運営委員を選任し、所長と事務局(民団生活局)を含めた12人による運営委員会を構成、年間の活動方針や運営規定の協議・決定、新任相談員の委嘱業務などを担っている。 専門相談員が対応する相談件数は毎年900件以上に及び、これに事務局が相談者の話を聞く段階で解決したケースを含めるとその件数は数倍にのぼる。 近年は相続と家族関係登録(戸籍整理)に関する相談が最も多かったが、今後は国外財産調書提出制度などに絡んだ税務関係の相談が増えていくだろうと運営委員会では予測している。 救助公団とMOU 中央相談センターは韓国の大韓法律救助公団と11年6月13日に「在日同胞の権益保護及び法律福祉増進のための業務協約」を締結(MOU)した。 同公団は民事法律扶助制度を担う団体の一つであり、在外同胞の法律福祉向上のために韓国法に関連する在外同胞専用サイバー相談窓口を運営する公的機関である。 相談センターとのMOUは、在日同胞に対する法律救助事業のための情報交換や人的交流などの強化につながるという意味で、内外から高い評価を受けている。 公団関係者は「民団と共に在日同胞の法律救助ネットワークを構築して、権益擁護と居住国における行政差別の解消をめざしたい」と話している。 本国セミナー開催 中央相談センターでは本国セミナーを開催している。これは全国の専門相談員と事務局を対象にしてソウルを訪れ、韓国の関係部署を視察したり、現地専門家と意見交換を行う3泊4日間の研修事業である。 第4回となった昨年は20人が参加し、海外資産の申告や韓日の離婚制度の違いなどの講義を受けたほか、大韓法律救助公団や金融監督院を訪問、韓国法における在日同胞の位置付け、本国資産の申告と納税問題などを学んだ。 その一方で、同じ相談員という立場でありながらも日常的に接する機会の少ない各地の専門家同士が親睦を深めることのできる場ともなり、多くの成果をあげている。 「Q&A」冊子作成 センターに相談をするためには、まず本人が事前連絡をしなければならないが、それ自体を敷居が高いと感じる人もいる。一方で、相談内容が類型化してもいる。 このため中央相談センターでは、専門相談員に執筆を依頼し、「生活相談Q&A」を作成、昨年7月から「民団新聞」に連載。概ね好評を博したが、約40本のQ&Aの掲載を終えるまでに一年半以上かかることから、適時連載は続ける一方で、相談分野別の冊子を早急に製作する運びとなった。 冊子は在留資格、戸籍国籍、結婚離婚、相続、税金などに区分され、2月頃に、中央はもとより地方相談センターなどに備えられる。 ■□ 岡 山 宋燦錫団長 地方で一番最初に開設されたのが「相談センターおかやま」である。 これまでも団員からの生活相談は多数寄せられていたが、センター開設以前は中央本部を紹介するほかなかったという。しかし、直接面談できる地元の専門家がいればという声が根強く、これに応えようということで開設準備が進められた。 宋団長は「団員の生活を助けることが民団本来の役割であるし、相談を通じて絆をより深めることができる」と語る。 岡山は専門相談員として一級建築士、不動産コンサルティングマスター、土地家屋調査士らを擁しているのが特色だ。ある相談員は「多様な境遇で生きる県内の同胞を助けるとともに、心のより所となるセンターをめざしたい」と話す。 開設から2年半、全国の先駆けとして、模範的で安定した活動を誇っている。 ■□ 宮 城 田炳樽団長 岡山と同年の12月「相談センターみやぎ」が開設された。所長に就任した田団長は「同胞の生活上の諸問題を一つずつ丁寧に解決していきたい」とその思いを語る。 同センターが国際結婚などで県内に住むようになった新定住者の受け皿ともなり得ることから、駐仙台総領事館が寄せる期待も大きいという。 宮城は金東瑛監察委員長が行政書士として直接、戸籍整理、婚姻、相続などに対応できることが団員らに安心感を与えている印象が強い。それ以外の分野でも介護の悩みなどに応えてきた高い実績がある。 宮城は民団の東北地方協議会事務局でもあることから、東北地域の同胞が頼りにする存在でもある。 ■□ 福 岡 呉政夫団長 「相談センターふくおか」は14年8月に開設された。所長を務める呉団長は「団員はもちろん、新定住者や日本籍同胞に対しても幅広く相談に応じている」と胸を張る。 「センターを通じて地域の同胞が民団の存在を肌で感じることだろう」と駐福岡総領事館も積極的な支援を約束している。 福岡では開設時に数千枚のビラを配布、その後も特に広報に力を入れて来た効果が表れ、相談は九州全域から寄せられているという。 また、普段の相談とは別にセンター主催の法律セミナーなどを開催しており、着実な実績を積み重ねている。 ■□ 北海道 任泰洙団長 「相談センターほっかいどう」が開設されたのは福岡と同年の11月である。任団長は「センター開設を契機に、相談がよりいっそう体系化できるように進化させたい。団員はもちろん、留学生や新定住者からの相談にものれるようにしたい」と意欲を示す。 専門相談員の一人である上野八郎弁護士は、札幌日韓親善協会の副会長でもあり、以前にも民団や駐札幌総領事館から同胞の事件・事故処理の相談を受けていたとのことで、「引き続き相談員の任務を果たし、日韓親善友好にもつなげていきたい」と述べている。 ■□ 大 阪 鄭鉉権団長 北海道の翌日に開設式が行われた大阪では、70年代から弁護士による法律相談を行ってきた実績がある。しかし、生活相談センターの全国化という方針に呼応し、「相談センター大阪」として呉華燮副団長をセンター長に新たなスタートを切った。 鄭団長は「従前の経験を踏まえ、これまで以上に充実した団員サービスにつなげていきたい」との思いを強くしている。 「韓日両国にまたがる在日の独特な問題を解決できるのは民団だけだ」「特に相続は個人で取り組むには難しい側面があるので、正確な対応を心掛けたい」などと専門相談員らは語る。 大阪は地方本部と生野南支部の2カ所で対応しており、在日同胞の最多住地域のセンターとして、今後もその運営に力を傾注する方針だ。 ■□ 愛 知 鄭 博団長 愛知は78年、地方本部に生活相談室を設置しており、そこから36年間の相談件数累計は2300件を超えるという。まさに生活相談センターの草分け的存在である。 14年12月、「相談センターあいち」として衣替えし、再出発させた鄭団長は「団員にサービスする事業として生活相談は最も有用なものだ。今後も団員の生活支援に向けてより発展させていきたい」との指針を確固たるものにしている。 月2回の相談日は専門相談員の当番が明確に設定されており、本人と相談員が直接面談を通じて応対する団員とふれあう相談を基本原則としている。 ■□ 兵 庫 李圭燮団長 兵庫は95年に発生した阪神淡路大震災時の被災をきっかけに兵庫韓商が専門委員会を設置し、団員に身近な相談を行ってきたという特別な経緯と実績を持つ。 しかし、さらなる前進をめざそうと民団の模範事業として内外から高い評価を得ている相談センターの在り方に賛同し、「相談センター兵庫」として昨年8月、リスタートを切った。 専門相談員の一人である高竜介社労士は、若くてまだ仕事が少ない時に民団でアルバイトをしていたという経歴を持ち、「少しでもその時の恩返しがしたい」との決意を胸に秘めている。 ■□ 京 都 河相泰団長 昨年9月の「相談センター京都」開設式で河団長は「開設は私の公約の一つだった。センターを通じて団員サービスの向上により努めたい」と抱負を述べた。 専門相談とは別に一般相談を受け持つ李春男副団長は「団員の話を真剣に聞いてあげたい。誰もが気軽に電話できるセンターにしたい」と語る。 税金・保険・年金などお金にかかわるライフプランを設計するファイナンシャルプランナーを有するのが特徴の一つであり、民団を窓口にして相談員同士がチームワークを組み、今年度は体制をさらに充実させて行くことを目標としている。 ■□ 富 山 金 仁団長 昨年11月北陸で初、9番目の地方センターとして開設されたのが「相談センターとやま」である。 開設式には民団と婦人会関係者のほか、高田眞会長をはじめとする富山県日韓親善協会の役員がお祝いに駆けつけた。 富山は昨年秋の本国セミナーに宋勇副団長を送り、センター開設の実現に鋭意努力を傾けた。 まだ開設から日が浅いので実績を積むのはこれからだが、同胞過疎の地方にも相談センターは必要であり、十分に運営ができることを証明してもらう意味からも、今後の活動への期待は大きい。 (文責・生活局) (2016.1.1 民団新聞) |