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読書
在日義勇兵帰還せ
【左】明治三十八年竹島編入小史、【右】日韓新たな始まりのための20章
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在日義勇兵帰還せず 救国への一途な思い

 同族相喰む韓国戦争(朝鮮動乱)が勃発した1950年6月。存亡の危機に瀕した祖国を救おうと、自ら志願して戦場に出て行った在日の学生、青年たちがいた。

 本国への一途な片思い、愛国心がかりたてた参戦だとしても、常軌を逸していると考えていた著者は、全体像をつかみたいと参戦55周年記念式典に同行、生存者のインタビューに取りかかった。

 時の李承晩大統領は当初在日学生らの参戦を認めなかった。韓国軍の兵力不足から戦地に赴くことになったが、兵士として出陣するはずが、米軍の道案内や通訳など補助要員でしかなかった。

 不満が充満していた若者のうち、韓国軍に志願し、晴れて軍人となった者もいたが、待っていたのは厳しい運命だった。負傷兵を助けようとしている最中に味方から取り残され、やっとの思いで味方陣地にたどりつくが、毎日変わる韓国語の合言葉がとっさに出てこず、集中射撃を見舞われる羽目になった。とっさに出たのが日本語の命乞いだった。その部隊に在日義勇兵がいたことが幸いし、一命をとりとめたという。

 在日義勇兵として全国から結集した642人のうち135人が戦死や行方不明、242人が日本への再入国を拒絶され、無事に戻って来ることができたのは3分の1に過ぎなかった。

(金賛汀著、岩波書店2300円+税)03(5210)4000

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明治三十八年竹島編入小史 独島編入の事情とは

 帯に「日本と韓国の真の友好のために近現代史を学ぼう」とある。わが意を得たりである。

 日本で歴史を学ぶ学生たちの不幸は、学校でその時代の歴史が教えられないことにある。学期末で時間切れ、あるいは試験に出されないため、その時代へのアプローチは、長い間手付かずの状態が続いてきた。

 さて、韓日が領有権を主張し、国と国、市民レベルさえ巻き込んで火種になっている一つが、独島(竹島)問題である。

 歴史を遡ると、明治時代の1877年、太政官(現在の総理室)は、「竹島ほか一島は日本と無関係、心しておくこと」と言った。

 また、それ以前の1869年には政府が外務省所属の者を朝鮮に派遣、竹島と松島が朝鮮の地となった始末を調査させたという事実がある。

 そして、1905年、日本は「無主地」として独島を自らの領土に編入した。その年の前年に韓国は外交権を奪われていた。

 明治時代の「征韓論」から日清・日露の戦争に突っ走った日本。ついには韓国を併合するが、その過程で独島が意図的に日本の領土に編入された事実を、資料に基づいて解説した一冊である。

 日本が日露戦争の軍事的必要性から独島を編入したというのが主な主張である。

(金柄烈著、インター出版2000円+税)075(212)6559


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日韓新たな始まりのための20章 共生をはばむものの正体

 『マンガ嫌韓流』がベストセラーになり、その後編もヒットしているという。「2匹目のどじょう」よろしく、複数の出版社が類似本を売り出しているとか。

 これらの動きは、すでに日本に定着した感のある韓流が単に嫌いというのではない。背景にあるのは、根深い韓国・朝鮮憎しの感情である。

 拉致やミサイルなどで関係が劣悪になった北韓だけが対象ではなく、在日同胞もターゲットに含まれている。オチは「チョーセン帰れ」の大合唱である。何ともはや。

 要するに多文化共生の潮流に乗れず、どこまでも自民族至上主義、排外主義にしがみつきたい願望が、根幹になっているのである。

 先のマンガ本への批判本には、すでに『「マンガ嫌韓流」のここがデタラメ』などがあるが、本書は「つり目、大声で怒鳴る=韓国人」といったステレオタイプで差別を振りまく「嫌韓流」の誤りを、言葉によって実証し、批判を加えている。歴史的事実を意図的に避け、漫画的手法で訴える代物とは対極にある。

 全20章には韓日の歴史、在日の歴史、韓日関係などがわかりやすく書かれている。あるべき言論の姿や正しい批判を示しながら、互いの違いを認め、共生を否定する「嫌韓流」を越えて共生できる市民社会を築こうというメッセージが詰まっている。

(田中宏・板垣竜太編、岩波書店1700円+税)03(5210)4000


(2007.2.7 民団新聞)
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