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本場の味韓食どこでも…世界化へ、韓国伝統飲食研究所尹淑子所長
専門人養成スクールで勉強する人たち(東京・新宿区の趙善玉料理研究院で)

 韓国で2009年から始まった韓食の世界化事業に先駆け、韓国伝統飲食研究所の尹淑子所長が担った役割は大きい。農林水産食品部と文化体育観光部が後援し、同研究所が主管事業者として06〜08年に推進された「韓国飲食調理法標準化研究・開発事業」では、調理法を世界共通の基準の単位で表記し、標準レシピを記載した『美しい韓国料理100選』(ハンリム出版)などの執筆を手がけた。現在、世界各地で韓国料理店の調理師などを対象にした再教育を行うために奔走している。

標準化のレシピを
「あいまい調理なくしたい」

 「韓国料理の世界化が遅れたのは、これまで標準化されたレシピがなかったのが理由の一つ」

 そもそも韓国料理は祖母から母、そして娘へ代々、口伝えや見よう見まねで覚えた家庭の味として伝えられてきた。それは一般家庭にとどまらず、韓国料理店の多くの調理師たちも同様だ。

「適量」「少々」これじゃダメ

 「面白い話しがある」と切り出した。以前、米国で韓国料理店の調理師をしているアメリカ人が来韓した際に、市販されている料理本を手渡してカルビチムを作らせた。出来上がったのはなんとカルビタン。理由を尋ねると、水の分量は「適当」と記されていたので、「適当」に水を入れてしまったのだ。

 「あの時、レシピの大事さを実感した」。すぐに農林水産食品部などに出向き、「レシピがないと本当の韓国料理を伝えることができないうえに、間違った料理が広がってしまうことが心配」だと訴えた。実際、書店で発売されている料理本の中には「適量」や「少々」という曖昧な表現が使われるのが少なくなく、ネギ1本といっても長さや太さまでの説明はされていない。

 「海外で誰が調理をしても同じ味を出すにはレシピが必要」

 「韓国飲食調理法標準化研究開発事業」では責任研究員として、各大学の調理学部の教授らで構成された研究グループとともに研究・開発を重ねた。07年に出版された『美しい韓国料理100選』は初心者を基準にして作った。

 材料や加熱時間、下処理などに加え、調理時間、料理にあった器の大きさに至るまで紹介されている。「多くの韓国料理本では栄養素の部分が無視されているが、この本は食べる相手の健康に合わせてこの料理はタンパク質が多いとか、炭水化物が少ないなど一目でわかるようになっている」

 「韓国飲食調理法標準化研究・開発事業」では09年と10年にも本書のシリーズを出版している。いずれも日本語をはじめ数カ国語に翻訳されている。「韓国料理はだんだん広がっている。韓国の食材が手に入らないこともあるので、その国に合わせて材料は変えてもいい。でも作り方や味は守ってほしい」

 尹さんは15日から東京・新宿区の趙善玉料理研究院で開かれた民団韓食ネット協議会(朴健市会長)主催の「韓食世界化専門人養成スクール」の講師として3日間、指導した。参加した在日、日本人、新規定住者の韓国料理店経営者、フードコーディネーターらは熱心に耳を傾けていた。

 韓国料理を作るうえで最も大事にするのは、食べる相手のことを考えることと、季節の旬の食材を使うことだと尹さんは言う。講義中も、野菜の切り方一つにも、相手を思う気持ちが込められていた。

5人の弟子と海外教育の夢

 世界各地を回って、調理師の再教育を行っている尹さんは、ほかの国に比べて日本は調理実習の場があって恵まれている方だと言う。「だけどこのくらいの規模では足りない。韓食の世界化に本気だったら、韓国政府は調理ができる環境を整えて、もっと在日や日本の方を受け入れて講習会を定期的に開催しないと広がらない」と苦言を呈した。

 3日間の講義で尹さんをサポートした5人の料理研究家は、3年前から尹さんの元で学んだ弟子でもある。「5人を中心に講座を広げ、展示会や試食会などを開いてもっと発展させてほしい。それと、海外で行う再教育にこの5人の弟子と回ることが私の夢」だと期待を語った。

 世界で作られる韓国料理の基礎として活用されている『美しい韓国料理100選』は、韓国をはじめ各国の大学の図書館に寄贈された。

 「この本を見て、本場の韓国料理を食べたいと、韓国に来る人が増えるのが希望です」

(2012.10.24 民団新聞)
 

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