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「嫌韓」に手貸す?池彰氏点フジテレビ「韓国」特番

看板が泣く「徹底解説」…「反日」強調へ情報操作も
「建国から軍事政権」浅薄な認識

 フジテレビ「池上彰緊急スペシャル 『反日』韓国の謎とは」(6月5日放送)は、韓日国交正常化50周年にあわせての特別番組で、「知っているようでよく知らない韓国のナゾ!を池上彰が徹底解説する!」とうたっていた。

 放送当日には「韓国が『反日』になった本当の理由、あなたは知っていますか?」と、大きな広告が、同系列の産経新聞だけでなく朝日新聞の朝刊テレビ面にも掲載された。

 池上氏はNHKの記者を経て、東京工業大学教授などを務める有名なジャーナリスト。影響力と信頼度が高い時事解説者とされている。冷静に韓日関係を考え韓国理解への新たな視点が示されるならばよいのだが、と同番組を見た在日同胞も少なくないという。

 しかし、「徹底解説」には、そのようなものはなかった。「日本にことごとくちょっかいする理不尽な反日国家」を強く印象づけた。

 池上氏は「韓国憲法前文」の「三・一運動」に関する記述が「反日」の原点になっているなどと解説。出演者(芸能人・タレント)が一斉に「へえー」「根深いところから反日感情があるのだ」と驚きの声をあげると、「そういうことですね」と応じ、韓国・韓国人に対する否定的かつ感情的な発言や質問にも、池上氏は「そうですね」などと繰り返した。

字幕処理に本音

 ソウル市内の街頭で市民にインタビューした映像では、実際の発言とは異なり「反日」を強調した字幕を付けていた。このことが韓国の新聞にも報じられ、広く知られるようになったのを受け、フジテレビは、ようやく29日にウェブサイトで「字幕のような内容を話したのは事実だが、編集過程で最終チェックが不十分だったため、誤った映像を流してしまった」と「お詫び」を掲載した。

 「故意ではなく、編集上のミス」だったと強調することで、逆に、「反日一色の韓国」とのシナリオに基づき、何が何でも「反日」をクローズアップしなければならないとの番組制作側の本音がうかがえた。

 池上氏は、朝日新聞の取材に「私の名前がついた番組の中で起きたことであり、申し訳ないことだと責任を感じています」と述べている(29日)。「字幕の間違い」には反省を表明したものの、自らが犯した大きな間違いについては、自覚のかけらもないようだ。

 氏は、同番組内で、「ちょっとこちらをご覧ください」と、大きく映し出された「韓国歴代大統領の一覧表」を指さし、「これを見てください。韓国ができてから、ここまで軍事政権だったのです」と説明していた。「一覧表」は、初代大統領の李承晩から尹潽善、朴正熙、崔圭夏、全斗煥までを「軍事政権」とし、盧泰愚から現在の朴槿恵大統領を「民主政権」と区分していた。

 韓国の現代史を少しでもかじったならば、李承晩、尹潽善両大統領の時代を「軍事政権」とすることの誤りにすぐ気づくはずだ。氏は「韓国は建国時から軍事政権だった」と全く常識外の新説を堂々と披露したのである。

 このような基本的間違いを犯しながら、番組放映中には訂正されなかった。のみならず放映から1カ月後の今に至るも「訂正」はなされていないようだ。氏には「間違い」との認識がないのに加えて、フジテレビに対して第3者からの指摘もなかったということなのか。

 相手国や2国関係に対する両国国民の認識をかたちづくる上で、新聞・テレビなどメディアの役割の大きいことは、各種の世論調査からも明らかだ。国交正常化50周年を機に、朝日新聞と東亜日報が実施した共同世論調査によると、日本では、自身が韓国に抱くイメージに影響したのは「メディア」だと答えた人たちが約8割と最も多かった。

大きな誤り放置

 池上氏の冠番組は、テレビ業界ではテッパンで、高視聴率を獲得することで知られているという。隣国について「大きなウソ」を堂々と述べ、そのまま放映したことについて、池上氏とフジは明示的かつ速やかに「訂正」を行うべきだろう。

 韓国をよく知る武藤正敏・前駐韓日本大使は「韓国では、政治、メディア、一般NPOなどの声の高い人の反日感情が、一般国民の意識から乖離して一人歩きしている。韓国の国民レベルでは反日感情はほとんどありません」と断言している。

 また、韓国と日韓関係を研究対象とする右派の論客である西岡力・東京基督教大学教授は、「韓国人の反日」について「声高に聞こえるが実質はそれほど強いものではない。韓国の反日は、ソウルの日本大使館前と国会とテレビ・新聞の中にしかない/それに比べて、心配なのは日本の嫌韓だ。韓国の反日の背後にある(北朝鮮とそれにつながる左派勢力による)政治工作を見ず、その理不尽さをすべて韓国人の民族性、国民性に還元する議論の拡散を私は心配し続けている」と述べている(「正論」7月号)。参考にすべきだろう。

 池上氏は、番組の中で「相手の国をよく知ることがまず大事」、「お互いがもっと相手のことを知ることが第一歩」と強調していた。だが、正確さに欠ける解説と、何が何でも「反日」に結びつけ「嫌韓」を増幅させる映像・字幕処理、出演者の感情的発言などは、韓国軽視・蔑視を生みだす一方で「避韓」および「嫌韓」ムードを助長しかねないものだった。

 「徹底解説」は、池上氏が「嫌韓論」に媚を売り、毒されたといわれてもしかたあるまい。

(2015.7.8 民団新聞)
 

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