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<寄稿>同胞らの魂集う処 尹義善
在日韓国人の苦難の歴史に思いをはせる来館者
開設から1周年迎えた在日韓人歴史資料館

被差別の重み受けとめ涙 2世
「創氏改名」学び本名宣言 4世

 在日韓人歴史資料館が開設から一周年を迎えた。資料館の来館者は実に多様だ。

 約2時間もの間、展示室から動かなかった男性がいた。家業の屑鉄屋を無理やり継がされたという2世だった。朝鮮、韓国を忌み嫌い、親を憎みながら青春時代を過ごしたと言った。成人してからは真っ先に日本国籍を取得し、父親への復讐を果たしてやったつもりだったのだと語った。

 男性は話しながらはらはらと泣いた。父親はこの春亡くなったという。展示を見ながら、なぜ父親が頑迷に国籍にこだわったのか、なぜついに一生を貧しく暮らさねばならなかったのかを考え続けたとつぶやいた。差別がどれほど厳しかったのか、その苦労に思いが至らなかったと言った。男性は有り金の全てだという2000円を資料館に寄付したいと置いていった。

 この夏、1人の高校生が熱心に図書資料室を訪れた。在日の4世だという彼は、通名しか知らず本名の読み方は知らないという。社会科の授業で「創氏改名」について発表するのだと言った。

 最初は1人で、やがて日本人の友人をつれだって、その数は回を追うごとに増えていった。発表を機にいわゆる「本名宣言」をするのだという。われわれスタッフの心配に、日本人の友人は何があっても守るから大丈夫だと笑った。

 BC級戦犯の夫を支え懸命に生きてきた日本人妻と子どもたちは、資料を寄贈しながらこれで長い間の無念が報われるようだと涙した。祖国と日本、両方の国に棄てられなお闘うことをやめなかった人たちだ。資料館が資料の意味を知り、保存展示してくれることで、在日の中で「名誉回復」がされると喜んだ。

 「物」はたくさんの人々の想いを運び、時に雄弁に歴史を物語る。人々は展示の向こう側にさまざまなものを見、何がしかを抱いて帰っていくようだ。字面を追うのではなく、体まるごとで何かを感じ、懐深く抱きしめるのであろう。

 私たちスタッフは来館者の姿、声にさまざまな人間の奥深いドラマを見る。資料館は1世と後世を、同胞と祖国及び日本を結ぶ紐帯であり、南北に引き裂かれた痛みを越えて同胞の魂が集いあう砦である。

 1周年を経て、同胞全体のかけがえのない財産である資料館の役割はますます重みを増していくであろう。「百里の道」の一歩である。(在日韓人歴史資料館研究員)

(2006.11.29 民団新聞)
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