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| 6年生を対象とした図工「折り紙で学ぶ韓国語」を行う眞鍋千尋さん | 異文化理解願って
新宿区立落合第六「総合学習の時間」
英語教育が小学校にまで広がっているなか、東京の新宿区立落合第六小学校(八田瑞穂校長、177人)では、近隣諸国にも関心をもってもらおうと、6年生の「総合的な学習の時間」にハングルを取り入れている。子どもたちは聞き慣れない韓国語に戸惑いつつも、好奇心だけはいっぱい。一部ながら片言の韓国語を理解する児童まで出ている。
2学期は「総合学習」の時間に折り紙「パグニ(かご)」に挑戦した。タイトルは「折り紙で学ぶ韓国語」。9月26日の授業は8割がた韓国語で進んだ。
手がかりは、講師の眞鍋千尋さんが黒板に韓日両国語のカードで貼りだした「折ってください」「合わせて」「半分を」「中心」「一枚」「開いてください」という6つのキーワードだけ。児童は韓国語で指示しながら紙を折る講師の眞鍋さんの指の動きを必死で追いながら、言葉の意味を類推していた。
児童からは「先生、キーワード少なすぎ」「日本語でしゃべってください」と不満の声も聞かれた。それでも講師の指示を即座に日本語で訳す子どもや、隣同士話し合って意味を理解する子もいて、全員予定していた時間内に作品を作りあげた。
落合第六小学校は忠清北道清州市が今春、区内で開いた「韓・日工芸交流」に児童の絵画作品30点を出展した。これがきっかけとなり4月、韓国国内の小学生19人が同校を訪れ、初の韓日児童交流が実現した。
お互いの国を身近に感じられたこの機会にと、眞鍋講師は1学期の総合学習の時間で初めてハングルに親しむ時間を持った。こどもたちは「響きが面白い」と素朴な興味を示した。音楽の授業でも「故郷の春」を取り上げてもらった。
これらは自らNHKハングル講座を受講しているという八田校長ら周囲の理解があったからこそ実現したともいえる。八田校長は「韓国は文化面で大恩のある国。草の根レベルで仲良くしたい」という。
眞鍋講師は韓国への修学旅行で知られる細田学園高校出身。大学で中・高の国語と書写の教員免許を得ている。韓国語は独学だが、同時通訳できるほどの実力の持ち主だ。「公立校の制約があるが、教育の中で異文化理解を位置づけていきたい」と意欲を燃やしている。
次回の「総合学習」ではハングルの書写を計画している。
(2008.10.1 民団新聞)
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