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過半数いなければ決選投票
大統領直属の国民憲法諮問特別委員会は13日、文在寅大統領に憲法改正案の草案を報告した。文大統領は就任当初から大統領の権限分散や地方分権などを進める方向で憲法改正を進める方針を示していた。
同委員会の改正案草案を見ると、大統領の任期を現在の1期5年1回限りから1期4年とし、再任されれば8年務められる。米国と同じ内容だ。 韓国では1987年10月に憲法を改正し、大統領の任期を1期5年、再任を禁じた。しかし、任期5年の後半から急速にレームダック化が進み、中長期的な政権運営ができないという欠点が指摘されていた。
ただ、現在の憲法は第128条2項で大統領の任期延長または重任変更のための改憲は当代大統領には効力が及ばないと定めているため、この1期4年、再任可能の改正案が施行されても、現在の文大統領には該当しない。現職の大統領が憲法を改正して自らの任期を延長することを防ぐことが目的だ。
改正案草案には大統領選挙で決選投票を行うとの条項も盛り込まれた。1回の投票で過半数を得た候補がいない場合は上位2候補による決選投票を行う。現在の憲法には決選投票に関する条項はない。
決選投票を行っている国としてフランスの大統領選挙、日本では内閣総理大臣指名選挙や自由民主党総裁選挙で過半数得票者がいない場合、上位2候補による決選投票を行っている。
草案には首都に関する条項も新たに盛り込まれた。現行憲法は首都について明文化された条項はなく、盧武鉉政権下の2003年12月に韓国中部の世宗市へ首都を移転するための法律が制定されたが、憲法裁判所が「慣習として首都はソウル」として違憲判断を下したことから、官公庁だけが世宗市に移り、大統領府や国会はソウルに残した。草案には「首都は法律で定める」とする条項が盛り込まれたとみられ、法律で首都が明示されれば首都を移転する条件が整う。
このほか、地方財政権や地方立法権の強化を通じた地方分権及び地方自治の拡大、国会議員召喚制度や国民発議制度の導入などによる直接民主主義の拡大に重点が置かれたという。
文大統領は草案をもとに改正案をまとめ、来週中にも改正案を国会に発議する方針だ。国会は改正案公告から60日以内に議決しなければならず、6月の地方選挙で憲法改正案に対する国民投票を同時に行うことが可能となる。
ただ、保守系野党の「自由韓国党」は大統領再任制ではなく、大統領が任命する国務総理を国会で選出し、権限を強化することで大統領と役割を分担する構想を示しているなど、野党は大統領再任制に反対しており、国会では憲法改正は国会が主導して進めるべきだとする意見も多く、反発も予想されている。
(2018.3.29 民団新聞) |
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