| 1959年韓国の光陽生まれ。明知大学会計科卒。98年高麗貿易ジャパン社長。在日韓国人連合会大阪支部会長。1男1女
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貿易・外食・イベント事業を展開 高麗貿易ジャパンの朴良基社長 食品類の貿易、韓国料理店「ビビム」の外食、韓国フェスタなどイベントの3事業を営む。社員は36人(ほかにパート約200人)、昨年度売上額は約12億円。 「最近は外食事業がメーン。売上比率で全体の5〜6割を占め、貿易3、イベント2の割合になる」 韓国の大学を卒業後、政府機関である高麗貿易に入社。91年に現地法人高麗貿易ジャパンの大阪支社に赴任した。同法人は中小企業の日本向け輸出窓口の仲介役を担っていた。96年に支社長に就任。 民営化を契機に ところが、97年の金融危機の影響で高麗貿易が閉鎖された。98年、現地法人の民営化措置により、高麗貿易の株式を100%取得、社長に就任した。 「債務超過が3億円ほどにのぼり、事業継承には周囲から反対された。若かったから決断できたと思う。公企業の時に行っていた代行業務を、すべて直接取引に切り替えた。ゼロからのスタートと同じだった。現金商売を増やすことで、顧客との信頼関係を回復していった」 2005年の愛知万博で韓国館のイベント業務を担った際、短期的に韓食に携わったのが転機となった。日本に本場の味を伝えたいとの思いから、翌06年に「ビビム」1号店をオープン。 いずれも人気店 「店名には韓日の食文化を混ぜる意味を込めた。スンドゥブやビビンパなど家庭料理が中心で、焼肉類は提供しない。基本的メニューは少ないけれど、アイテムは多い。なじみのある大衆料理ばかり。しっかりした味付けにするため、手間がかかる」 1つのメニューも、キノコやチーズなどをトッピングすることで何種類にも増えていく。夜には海産類の鍋料理がメニューに加わる。 将来の多店舗化をにらみ、1号店のオープンに合わせてセントラルキッチンを設けた。店内は韓国色を抑え、カフェ風の雰囲気にした。また、オープンキッチンにし、来店客からすべて見えるようにした。 「韓流の終着点は食文化ではないだろうか。韓国政府が韓食の世界化を推進中なので、ビジネスチャンスはさらに広がっていく。よりいっそう力を入れたい」 現在、難波や心斎橋、阪急西宮などの有名な大型施設に入居し、6店舗を数える。価格も安く、いずれも人気店だ。今年、新たに2店舗を増やす計画だ。 イベント事業は、韓国フェスタやグルメフェアなど、韓国と関連した催事を博覧会事務局や百貨店、行政に提案しながら企画・運営を担っている。 2010年、在日本関西韓国人連合会(韓人会)の発足と同時に初代会長に就任した。 「在阪ニューカマーが2万人を数えると言われるなかで、会員は1000人ほどに増えた。昨年はハンマダンの実行委員として参加し、民団との協力関係を築くことができた。今後も交流を深めていきたい」 ◆(株)高麗貿易ジャパン=大阪市中央区安土町2―5―5―8F(TEL06・6262・3205) (2013.1.30 民団新聞) |