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<社説>北韓は即刻、核開発を放棄せよ
 北韓が核兵器開発を放棄していなかったことが、17日に発覚しました。北韓自らその事実を認めたものですが、またもや北韓の本性を暴露したことに強い憤りを禁じえません。

 そればかりか、91年に韓国と調印した韓半島「非核化共同宣言」や94年の「米朝ジュネーブ合意」など、国家間の約束を踏みにじったことは、二枚舌の計画的犯行と指弾されても弁明の余地がありません。いつまで北韓は、世界の脅威になり続けるのでしょうか。

核は東アジアの脅威

 韓国政府は世界の中で孤立する北韓を暴走させることなく、対話のテーブルに着かせようと、「太陽政策」を推進してきました。

 経済破綻にあえぐ北韓経済の一助にと、金剛山観光に活路を見いだし、離散家族の再会や寸断されていた京義線の連結で、南北の同胞の情愛を蘇らせようとしました。両首脳による「6・15宣言」は韓半島に緊張緩和をもたらし、平和定着と南北統一の可能性すら芽生えさせました。

 しかし、北韓はW杯期間中の6月に西海で韓国軍に銃撃を加えた衝撃も消えないこの時点で、新たに核問題を惹起しました。同族の立場から懸命の努力を続けてきた韓国に致命的な打撃を与えたと言わざるを得ません。 現在、北韓は日本との間で国交正常化交渉を進めています。しかし、日本人拉致という国家的犯罪の解決なくしては、日本の国民感情は北韓との交渉に懐疑的です。

 その上、小泉首相と交わした「平壌宣言」が反故にされるに至っては、国交樹立は完全に遠のいたと言っても過言ではありません。自ら墓穴を掘ることの愚を改め、方向転換を図らない限り、北韓の前途は開かれないことに気づくべきです。

核の恐怖から解放を

 周知の通り、核兵器は瞬時にして大量殺戮を可能にする死の兵器です。第二次世界大戦の末期に、日本は原爆を投下され、戦後半世紀を過ぎた今もなお、原爆の後遺症に苦しむ多くの人たちがいます。

 被害者は日本人だけではありません。当時、広島や長崎に住んでいた在日同胞も惨禍に見舞われ、犠牲になりました。満足な治療も受けられずに韓国に帰国した同胞もいます。

 世界で唯一の被爆国に住む私たち在日同胞は、戦争の悲惨さと平和の尊さを知っています。北韓は核をあろうことか、平和を脅かすカードに使っています。これは人道に対する挑戦です。

 平和確立に向けたすべての努力に冷水を浴びせる北韓の責任は重大で、逃れようがありません。韓半島と北東アジアの安定のために、南北に住む同胞の生命と生存のために、私たちは声を大にして、北韓に核の即刻開発放棄と世界が納得できる核査察を受け入れるよう要求するものです。

(2002.10.30 民団新聞)
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