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<寄稿>「つくる会」分裂・解体か 俵義文
俵義文さん
<寄稿>「つくる会」分裂・解体か 俵義文(子どもと教科書全国ネット21)

 新しい歴史教科書をつくる会(「つくる会」)が内部抗争で分裂・解体の危機に陥っている。1月16日の理事会後に西尾幹二が名誉会長を辞任・退会した。同時に藤岡信勝を除く3名の副会長(遠藤浩一・工藤美代子・福田逸)も辞任し、理事になった。さらに、2月27日の理事会で、八木秀次会長、藤岡副会長、宮崎正治事務局長が解任され、種子島経理事(元副会長)が新会長になった。八木、藤岡は理事として留まったが、宮崎は退職させられ、副会長と事務局長が不在という異常事態になり、まさに、解体・分裂の「危機」である。

事務局長と副会長不在

 27日の理事会の様子は28日に「つくる会」のHPの「FAX通信第165号」に詳しくでている。また、産経新聞(3月1日)にも一部が掲載された。このFAX通信は、種子島会長が指示した文書ではないとして、1日で削除され、種子島が報道機関に送った「新しい歴史教科書をつくる会の人事についてのお知らせ」に差し替えられている。削除された「FAX通信」は解任された宮崎がゲリラ的に掲載したという内部情報がある。

 理事会では、まず、藤岡と八木が議長に立候補し、8対6で藤岡が議長になり、最初に宮崎の解任が8対6で可決、次に八木、藤岡の解任動議が出され、八木は6対5(棄権3)で、藤岡は7対4(棄権3)で解任が可決された。削除された「FAX通信」には、八木解任に賛成・反対・棄権した理事名も出ている。

 今回の内紛は、昨年の採択で10%以上は確実に取れるといっていたのに、歴史0・39%、公民0・19%と「惨敗」(八木)した責任のなすりあいが一番の原因だと思われる。「つくる会」の内部情報によれば、昨年9月に西尾・藤岡が採択の責任を宮崎に押し付けて解任しようとしたが、八木が反対し、宮崎も退任に応じなかった。そこで、今度は1月の理事会で「会に財政的損害を生じさせた」という理由で西尾・藤岡らが宮崎を解任しようとしたが八木グループが抵抗して、逆に西尾が退任することになった。

 解任理由は、宮崎が「財政的損害を生じさせた」、八木が宮崎や事務局員数名と昨年12月に理事会の了承なく中国に行って、中国の研究者と論争したこととなっている。おそらく、八木らは「つくる会」の財政を使って中国に行き、それを「損害を与えた」理由にされたのではないか。

指導権巡り権力争いか

 内紛の一番の原因は採択結果であるが、これは「つくる会」内部の指導権をめぐる権力争いでもある。「つくる会」は、98年2月に初代事務局長の草野光隆を解任(追放)し、98年7月には藤岡と濤川栄太両副会長が指導権を争って泥仕合を演じて、2人とも副会長を解任されている(濤川は理事も辞任)。次いで99年9月には2代目事務局長の大月隆寛を「思想的に会にいないほうがいい人間」(西尾)といって、「後ろからいきなり斬りつけられた」(大月)ように解任した。

 02年には、西部邁理事と小林よしのり理事待遇が西尾・藤岡・八木などと、親米か反米かで対立して、小林・西部が退会した。

教科書発行やめ撤退を

 このように「つくる会」は、たえず内部抗争をつづけてきた政治組織であり、子どもの教科書をつくるにはふさわしくない組織である。藤岡は歴史教科書の代表著者、八木は公民教科書の代表著者である。このような無責任な組織と人物がつくった教科書を採択した杉並区、大田原市、東京都、滋賀県、愛媛県の教育委員会の責任は重大であり、今からでも採択を撤回すべきである。

 種子島は「原始福音・キリストの幕屋」という国粋主義・天皇主義のカルト集団の関係者であり、「つくる会」会員の4分の1は「幕屋」のメンバー、宮崎が退職後の事務局員もほとんど「幕屋」のメンバーだという内部情報もある。産経新聞社は住田社長や渡辺教科書担当キャップが八木支持を表明したという情報もあり、産経新聞(3月1日)は、この内紛を「西尾院政」「空洞化の恐れ」などと批判的に扱っている。扶桑社は、この際に教科書発行をやめて撤退することをすすめたい。(本文中一部敬称略)

■□
プロフィール

俵義文(たわら・よしふみ)。1941年福岡県生まれ。立正大学心理学部非常勤講師(教職特別講座・テーマ「日本の教科書‐その歴史と制度」)。

(2006.3.15 民団新聞)
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