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<2500号の足跡>4.民団と韓国(05.04.27)
1972年6月10日号の韓国新聞。不純分子による民団内の混乱を収拾する見出しが大書されている
民団と韓国;共通利益の追求が柱…在日の立場生かし着実に

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「国是遵守」の意味するもの

 民団に結集した在日同胞が苦悶しつつ到達した生活者団体としての基本姿勢は、民団の歴史を一貫する極めて重要なキーワードとなった。もう一つ、民団を語るうえで欠かせないキーワードに、綱領の「われわれは大韓民国の国是を遵守する」に象徴される祖国との関係がある。これは、一時期の「反共理念」と並んで、一部に誤解を招く材料になってきた。

 韓国憲法は在外国民保護を謳っており、在日同胞の生活権擁護は本来、駐日政府公館の主要業務である。しかし、韓国政府の対在日同胞政策は、国交正常化後も長期にわたって不在、もしくは曖昧といわざるを得なかった。韓国の国力そのものに限界があったこともさることながら、在日同胞問題とは普遍的な人権問題であると同時に、植民地支配の清算と密接に絡み合う特異な問題であり、韓日間のアツレキになりやすかった事情も見逃せない。

 「全員帰国するまでの自治機関」として出帆した民団は、在日という特殊な歴史的背景と立地がゆえに、居住が長引くことによって深刻で多様な問題を抱え込まざるを得なかった同胞の生活権を守るために、自ずと準政府機関あるいは地方公共団体的な性格を帯びるようになったのである。

 民団結成は韓国政府樹立に1年8カ月先立っている。当然のことながら、民団は韓国政府によって系列化されたわけではない。民団に結集した同胞たちの「韓国」という国籍も、自動的に与えられたものではない。

 日本政府はサンフランシスコ講和条約が発効(52年4月)するまで、同胞を一方的に「日本国籍」としてきた。その半面で47年、外国人登録令を施行して在日同胞を当分間は外国人とし、登録上の国籍欄は暫定的に「朝鮮」とした。「まだ日本人」「すでに外国人」の巧妙な使い分けだ。

 民団は韓国政府の「在外国民登録実施令」の公布(49年8月)を受けて、国民登録事業、つまり朝鮮籍から韓国籍への切り替え運動を展開する。その頃、在日同胞社会の勢力分布は、GHQ(連合国最高司令官総司令部)の報告(49年12月)によれば、朝連傘下が70%で42万人、民団傘下が30%で18万人とされた。韓国籍は朝連・民戦の圧迫と闘いながら、選び獲得するものであった。民団にとって国民登録事業は、「李承晩政権支持」の次元にあるのではなく、同胞たちの帰属意識と国籍を一致させ、国づくりに本国国民と一体になろうとする自己確認をともなうものだった。

 当時、韓国籍を取得し民団に結集すれば、故郷・韓国との関係においてメリットがあったのだろうか。当時もその後も長い間、そのような魅力はなかったはずである。日本においては、政権こそ保守政党が握っていたものの、市民組織や労働組合などは革新系が強く、朝連・民戦・総連はこれらのバックアップを受け、民団は白眼視されてきた。マスコミにも長期間にわたって同じ傾向があった。

 韓国の経済的な困窮は続き、60年代中盤まで北韓に比べて国力はむしろ劣っていた。北韓・総連による日本経由の対韓破壊・撹乱工作でさえ、マスコミの多くは韓国のデッチ上げとするキャンペーンを張った。金大中氏拉致事件(73年)、文世光事件(74年)をとらえての日本世論の韓国バッシングは、最近の北韓に対するそれより数段激しかったことも記憶に新しい。

 民団は日本政府高官の妄言やマスコミの偏向報道に、消耗するほどの抗議行動を展開し、韓国のイメージアップに神経を砕かなければならなかった。この先頭に立ってきた本紙としては、妄言や偏向の裏に総連の巧妙な工作があったことを熟知していただけに、政治家やマスコミへの働きかけと自らの言論活動の強化の必要性を痛感させられたものだ。

 南北対立のなかで劣勢に置かれ、経済的な困窮と政治的な混乱の続く韓国に明るい展望は描きにくく、韓国の在外国民であることのメリットなど何もなかった時代から、民団は「祖国大韓民国と一体」であろうとした、そういう同胞たちの結集体としての歴史があることは軽視されるべきではない。しかも、単なる「一体」を超えていた。

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故郷の発展に率先して支援

 韓日国交正常化後、在日同胞の本国投資は中小企業の振興に側面支援となったのをはじめ、とくに農漁村部の道路・橋梁、上下水道、電力、学校など社会資本の整備に大きな役割を果たし、70年代初頭からのセマウル運動へとつながった。この70年代、在日同胞の本国投資は約3000億円と推算されている。

 駐日大使館をはじめ各主要都市に設置された12の政府高官のうち、9カ所の建設費(土地・建物)に対する同胞の拠出金は2002年の時価換算で、約1610億円と見積もられている。それ以降も、新韓銀行の設立、ソウル・オリンピック支援、IMF危機に際しての本国送金支援など、経済的な貢献は枚挙にいとまがない。

 これらの貢献は、国籍差別による諸々の不利益にもかかわらず、なお多くの同胞が居住国の国籍取得を拒否し、むしろ国籍差別を撤廃する方向に力学を働かせてきたことと合わせて、他地域の海外同胞社会にはない在日だけの特異な現象だ。個々人の努力が自動的に国の発展につながった本国国民とも違い、在日の場合はより意識的な行為だったのだ。

 思想団体でも政治団体でもないと繰り返し表明してきた民団にとって、「大韓民国の国是遵守」も「大韓民国と一体」も、最大公約数としては「韓国の立場に立つ」という意思の表明である。韓国政府と民団の関係は、時によって濃淡があるにせよ、あくまで機関と機関のそれといえる。民団は、自らの意思によって政権を誕生させる韓国国民と一体であろうとしてきたのである。

 民団はそのうえで、在日同胞だからできること、在日と韓国国民が共有できる利益を生み出すこと、この二つを常に念頭に置いてきた。韓日友好のための架橋的役割はその典型だろう。こうしたスタンスは今後、南北統一が現実化すればするほど、重要性を増す可能性を念頭に置かないわけには行かない。

 「民族主義」が統一国家建設の基礎エネルギーになるのは間違いないにせよ、7・4声明後、本格的な対話を前に南北政権が身構えた例を見るまでもなく、統一が現実問題になったときほど国と国、体制と体制の激しいせめぎ合いがあり、「民族主義」以上に極めて高い政治性と実務性が求められる。

 祖国統一問題には在日同胞社会も、日本も密接な利害を有する。「韓国の立場」に立つ民団と、「共和国のために運動」する総連は、同胞社会に責任を負う2大全国組織として、ダミー組織の介在や陽動作戦を排して正面から向き合い、高度な政治性と実務性に裏づけられた統一支援運動を要求されることになろう。

(2005.04.27 民団新聞)
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