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「平等」への渇望・暴力の「痛み」…在日2世のグ・スーヨン監督インタビュー
インタビューに答えるグ・スーヨン監督

自伝小説を映画化

 ACC最高賞をはじめ、数多くの広告賞を受賞し、CM業界を中心に映画、テレビドラマでも活躍する在日韓国人2世、グ・スーヨン(具秀然・50)監督の3作目となる映画「ハードロマンチッカー」が26日から、全国東宝系で公開される。2001年に刊行された同名の、初の自伝的小説(ハルキ文庫)を映画化。日常的に行き場のない暴力と向き合う主人公の「グー」。「ただ当たり前にそこにある、無意味な暴力を感じてもらいたい」と話す。(インタビュー構成)

見ないふりをして生きている?
強さ 優しさ 感じたい

 小説『ハードロマンチッカー』は、角川春樹さんが焼き肉友だちで、本を書いてみないかという話をいただき、前から文章を書いてみたいなと思っていたのでやらせていただいた。

 自分は変わった人生ではあるなという自覚はあったので、高校のときにメチャクチャだったのを書いてみようかなと思った。高校に入ってから生活環境が変わり、自分にこもる暴力はあまりなかったけど、人に対する不満ばかりだった。

 主人公の「グー」を演じている松田翔太君が、「暴力自体には何の正義もない。でも彼らは平等でありたいという気持ちが強くて、ところが社会はあまり平等ではない。そこで平等感を勝ち得ようと実感したかったんじゃないか」と言った。この作品をそこまで読み込んでくれたのか、面白いなと思った。

小説と違い僕ではなく

 小説と映画が大きく違うのは、小説は僕の話でしたが、映画では年齢層は21歳くらい。小説とは全然違うものになっている。だから大人になっても不良な人たちに変えた時点で、僕ではないんです。

 ただ、ノスタルジックにしたくなかった。昔はあんな感じだったなと思っている訳ではなく、実際にこの場だって見えないだけで、地方都市とか東京でも端のほうでは普通にまだあって、その肌合いを近くに感じてもらえればと思っている。  最近、痛みを知らないから限度がないと言われますが、今回、暴力は「痛いよ」ということを分かってもらいたい。

 実は暴力って簡単に言いますけど、暴力の問題はたくさんある。この震災にしても原発のことも、どこからが暴力なのかというその答えみたいなものが見つからないから、その手前ですよね。 また、いろいろな言葉の暴力もあるし、もっと言うと、在日に生まれたばかりに人よりちょっと傷ついたとか、痛みを知っているとか。

 だから大きいテーマとかメッセージを込めようとかは全然、思わなかった。この作品は、日本では相当、珍しいタイプの映画だと思うし、難しい映画になった。在日を見てほしいとか理解してほしい、僕を理解してくれとも思っていない。そこに今もある暴力を見てほしい。

 小説の中でも映画の中でも最初は韓国・朝鮮人の名前を使っているので、そうかなと思っても結局、何の関係もない。その彼らもことさらそこに意識がない。

 でも朝高は怖いというのは学生時代にあったのでそこは出しましたが、じゃ、それがなぜ怖いとか、そこには言及しませんでした。

 これまでの作品について僕が在日の視点から物を見ているのは、僕は在日なのでそれしか知らないから。逆に言えばそれ以外のことを知らないので、どうしても当たり前にそうなる。 Apayday payday loans in New Jersey get cash in a moment!

きっかけをつくれたら

 松田翔太君が言ったように、平等でありたいのと同じように、親を選んで生まれてこられない。だから生まれた時点で最初の不条理、理不尽があって、何とかなっているんだから、ほかのことはたいがい、何とかなるだろうというようなことです。

 この映画を見て、何かここにあるんじゃないかと思い、そこで暴力について考えるのか、在日について考えるのか、日本人について考えるのか、その何かを考えるきっかけを作れたらいいかと思っている。

 僕は普通の人より痛みに対する感受性が多少、強いような気がする。

 生活の中で普通の人が見えないようなところも見ようとしてみたり、そこにいろいろな価値観を自分なりに折り合いをつけながらやってきたと思うので、普通の日本の人とは少し、違うと思っている。

 たいがいの人は見ないふりをして、生きているような気がする。それは日本の人も、在日の人もそうですし、あまりそこを深く考えないように生きているのではないかと思うことがある。

 考えることでいろいろな痛みを知ることができるし、ちょっと強くなれたり、優しくなれたりしていくのではないでしょうか。

(2011.11.23 民団新聞)
 

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