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民団東京足立支団長 李寿源
定住性を自ら否定
足立区議会へ…付与反対の陳情
当支部では先月、「永住外国人住民の地方参政権確立」のための意見書採択を求める陳情を足立区議会にあらためて行った。
ところが総連は、今回もまた、足立支部委員長の名前で「『定住外国人の地方参政権』付与に反対する陳情」を区議会に行い、妨害した。
妨害理由は、前回とまったく同様で、こじつけも甚だしいものだ。
いわく「地方参政権付与は内政干渉につながる恐れがある」「民族分断の克服・祖国統一に向けて和解と団結を図ろうとする在日同胞の意向に反し、同胞社会の中に新たな対立を持ち込むことになり、それが区行政に新たな混乱をもたらしかねない」。
そもそも、地方参政権について日本選挙学会が実施した在日同胞アンケート調査で、同胞の80%以上が「認めるべき」と回答しているのだ。のみならず、日本国民を対象とした日本各紙の全国世論調査でも賛成が60%前後を占めている。
全体の利益に背向ける醜悪
在日同胞の意向と全体の利益に背を向け、地方参政権付与に反対する一部の議員に、相も変わらずこびを売る、総連幹部の姿は醜悪といわざるをえない。
「地方参政権付与」妨害のために、本来関係のない「民族分断の克服・祖国統一」問題まで持ち出しているのには、開いた口がふさがらない。
「日本社会の差別の現状に目をつむり、『参政権』だけに固執しては問題解決にはつながらない」云々というのも、まったくの事実歪曲で、ためにするものだ。
たとえば、民団は特別永住者と永住者に対する外国人登録証の常時携帯義務の廃止、罰則規定の軽減などを継続要望している。
再入国許可制度についても永住韓国人に適用することは自国(居住国)を出、再び自国(居住国)に戻る権利を侵害するものとして、日本政府及び国会に対して「入管法第26条による再入国許可制度」の適用から免除することを求め、署名運動を展開中である。
また、日本文部科学省に対し、「教育振興基本計画」検討に際して、国際理解学習、多民族・多文化共生学習の推進など在日外国人の子どもに関する教育への配慮を強く求めている。
「共生社会の実現と『参政権』付与は全く無縁」として「『定住外国人の地方参政権』に反対する」との総連の主張は、「住民としての権利」を放棄するものであり、在日同胞の歴史性、定住性を自ら否定することにつながる。
国籍や民族の違いに関わらず、地域社会で寄与し、責任を果たし、名実共に「共生社会」の実現をめざす、われわれ在日の期待と時代の流れに逆行するものだ。
共生社会への確かな基盤
総連は、かつても民団が中心となり推進した指紋押なつ廃止要望運動に対して「在日の総意でない」として反対・妨害した。さらにさかのぼれば、同胞の永住権取得にも総連は執拗に反対した。だが、その結果はどうだったか。今では総連幹部も「特別永住」資格を享受している。
地方参政権確立は、われわれ在日の、地域住民としての正当な権利要求であり、3・4世など次代の同胞が、より安定した生活を営み、「共生社会」を築いていくための確かな基盤となる。
総連の妨害工作が、総連系同胞からも不信を買っているのは当然だ。総連が、本当に同胞の権益擁護・伸長を願うならば、共に参与しこそすれ、これ以上妨害するようなことがあってはならぬ。
(2007.7.18 民団新聞)
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