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ここでも、韓日助け合い…障害者スポーツ<1>ピンスポッター金恵珍さん
「仲間たちに世界大会で金メダルを取らせたい」と語る金恵珍さん
とくに全盲ボウラーはピンスポッターの適格な情報伝達が頼りだ

 パラリンピック・アーチェリーの韓国代表をめざす在日3世。日本人視覚障害者ボウラーの「目」としてサポートする韓国人女性。障害者スポーツに関わる2人に共通するのは「前向きな姿勢こそ、パワーの源だ」。そして、そこには助け合い、学び合う韓日の姿があった。

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金メダルを取らせたい
全盲ボウラーをアシスト…ピンスポッター金恵珍さん

 「5枚目、ポケット薄め、2、5番残り!」

 ピンスポッターのこのかけ声がブラインドボウラーにとって「命のサイン」だ。

 障害者の間で、ボウリングを楽しむ人たちが増えている。いまや肢体障害者や視覚障害者でも、補助器具さえあれば楽しめる。重度障害者でボールを自分で持てない人は、滑り台のようなシューターという器具を使って投球する。

 視覚障害者ボウリング(ブラインドボウリング)はレーンの手前に置いたガイドレール(手すり)を使うことでアプローチラインを決めて投球する。

 選手の目の代役を果たすのが「ピンスポッター」といわれるアシスタント。ボールの軌道や残りピンの状況、スイングの角度や方向、身体、足の向きなどを即座に伝える。

 釜山から留学生として日本に来てから18年目の金恵珍さん(41、東京都北区・OL)は毎週2回、都内のボウリング場に足を運び、日本人ブラインドボウラーの活動をボランティアでサポートしている。

 ピンスポッターとして元気な声で選手たちに情報を伝えるとともに、ストライクやスペアを決めたらハイタッチで祝福するなど、気さくな釜山女の気質でムードメーカーとしても大役を果たしている。

 ブラインドボウリングと関わるきっかけとなったのは05年に東京で開かれた障害者大会で韓国語通訳の依頼を受けたことから始まった。

 そのとき、「目が不自由でも、みんな前向きにがんばってる…」。恵珍さんの脳裏から彼らの姿が消えず、「私でできることならいつでもお手伝いします」と申し出たところ、翌年ソウルで開催された世界選手権に通訳として同行することになった。大会後も知り合ったブラインドボウラーたちと交流が深まり、日本でのボランティアを本格的に開始した。韓国遠征にも同行した。

 ブラインドボウラーが徐々に広がりアジア大会や世界大会もあるものの、悩みのタネはピンスポッター不足。

 日本代表の森寛樹さんは、「ぼくたちはピンスポッターと一体でプレーしている。迅速正確な情報とムードの盛り上げがハイスコアにつながる」としながら、「彼女がいなかったら、このように活発な練習はできない。本当に助かります」と恵珍さんの役割の大きさを強調する。

 仲間の荒井順平さんは、「視覚障害者のスポーツは数多いが、室内競技で危険も少なく、ボールさえあれば始められるのがボウリングの魅力」と話す。一緒に練習するサウスポーの久木崎昭さんも「ストライクが決まったときは最高の気分」と笑顔を見せた。

 恵珍さんと森さんは偶然にも同い年。森さんが韓国語を独学していたことから、さらに親しくなった。

 「レーンコンディションなど、さらに細かいアドバイスを与えたい」と恵珍さんも3年ほど前にマイボールを作り、自ら競技者としての知識と技術を植え付けはじめた。今や立派なマイボウラーだ。

 この熱心さに負けた夫も、今や一緒にピンスポッターを手伝っている。

 「みなさんたちと出会わなかったら、これほどボウリングに熱中しなかったでしょうね。だんなも誰も私を止められません」と目を細める。

 練習を続けるボウリング場は壮快に倒れるピンの音とともに、ブラインドボウラーたちの元気な歓声が響き渡る。

(2013.8.15 民団新聞)

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