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臨時中央委員会で「手形問題」終結

「公金横領疑惑」は調査委で究明へ



一連の処分問題を否認した
臨時中央委員会

■一連の「処分」は撤回

 いわゆる「手形問題」から派生した民団中央本部監察委員会による一連の処分問題の是非を論議する第52回臨時中央委員会が18日、中央委員205人(欠員6人、未配定1人)中、156人(点呼時)の出席で開かれた。

 焦点となっていた中央本部の河ビョンオッ議長と金宰淑、金容雨両副団長に対する停権処分は、中央委員の圧倒的多数の採決で否認され、「手形問題」で議決機関が文性煥元総務局長を告発しないことを明らかにしたため、同問題は決着し、今後民団内部で取り扱わないことが決まった。


■脱北同胞の強制送還で中国に抗議文

 また、韓国に亡命を求めながらも中国政府によって北韓に強制送還された脱北同胞7人の問題では、同中央委員会名で中国政府の非人道的な措置に対する抗議文を発表、今後抗議行動に移していく。

 今年度2回目の臨時中央委員会は、河議長が停権処分中のため、李鍾燮副議長が議長代行を務め、いわゆる「手形問題」処理に関する執行部の経過報告と「手形問題」に加えて浮上した民団本国事務所の経理不正と公金横領疑惑に関する監察委員会の処分報告を行った。これに対して、停権処分を受けた3人はそれぞれ「監察委員会の一方的な不当処分」と反論。

 委員会では審議の末、今回の処分問題について監察委員会の「規約の不当解釈」として否認し、観察委員会もこれを受けて処分を撤回した。また、経理不正と公金横領疑惑については、監察委員会と地方協議会事務局長による「調査委員会」を構成して真相を究明することで、監察委員会が今年1月12日に本国の検察庁に委ねた告発を取り下げることにした。


■処分は規約の不当解釈

 いわゆる「手形問題」に端を発した監察委員会による停権処分問題は、監察委員会の報告と被処分者の異議申し立ての後、中央委員会で審議された。委員らは監察委員会の処分を規約を不当に解釈した一方的な措置だとして、処分そのものを否認し、監察委員会は中央委員の決定を尊重して処分を撤回した。本国の検察庁に公金横領で告発した事案については、「調査委員会」を構成して真相を究明することで、取り下げることに決まった。また、「手形問題」は、議決機関も「告発しない」と表明し、監察委員会が本国の検察庁に告発していた文元局長の案件も不起訴処分となったことから今臨時中央委員会ですべて終結した。


■本国告発は取り下げ

 監察委員会はいわゆる「手形問題」を理由に下した昨年12月14日付の中央本部幹部の停権処分以外にも、今年1月12日付で本国の検察庁に中央本部幹部らを民団本国事務所の公金横領で告発していることを明らかにした。一連の措置について、金宰淑副団長は「一方的に名誉を毀損するものでとうてい承服できない。事実に立脚し再審を」と強く抗議、金容雨副団長も「処分にいたる手続きを無視した人権蹂躙。処分撤回と現状復帰を」と求めた。

 「手形問題」に加えて民団本国事務所の経理不正と公金横領疑惑で停権5年とされた河議長は、「まったくの事実無根。母国修学生のための国際教育振興院寄宿舎建設費を返済するために充てた資金と本国政界へのロビー活動資金」と反論した。


■公金横領疑惑、調査委員会で真相究明へ
 調査委は監察と地協代表で構成

 議場の中央委員らは「大会で選出された任員を中央委員会の事前承認なしに処分するのは、規約の不当解釈」「民団内部の問題を本国の司直に預けるのは、自主性の放棄」「民団を代表する団長を差し置いた著しい越権行為」だと監察委員会を批判。審議の末、一連の停権処分は否認、撤回されるとともに、公金横領疑惑については、中央監察委員会と地方協議会事務局長による「調査委員会」を構成して徹底的に真相を究明する条件で、本国の告発を取り下げることにした。

 いわゆる「手形問題」は、昨年10月8日の第51回臨時中央委員会の委任事項であった文元局長の告発是非を問う問題で、在日同胞と日本の弁護士の諮問を受け、三機関長が協議して一カ月以内に決着させることになっていた。

 しかし、両弁護士の意見が分かれ、三機関長の意見も執行部は「告発せず」、議決機関は「告発する」、監察機関は本国の司法当局にすでに「告発済み」と合意がなされなかったため、事態はなかなか収束しなかった。

 そのあおりを受けて、監察委員会による大会選出任員の一方的な処分が発表されるなど、「民団創団以来の事態」となっていた。


■手形問題、議決の「告発せず」で完全終結

 今回の臨時中央委員会では、議決機関も「告発しない」と表明し、監察委員会が本国の検察庁に告発していた文元局長の案件も不起訴処分となったことから、昨年3月の中央委員会以降、約1年にわたり民団社会を揺るがせたいわゆる「手形問題」は、故朴鍾・民団中央本部常任顧問が7年前、その地位を利用して文元局長と共謀した融通手形事件であり、民団中央本部には責任のない「故人が行った自己取引、背任行為」であると決着した。

(2000.01.19 民団新聞)



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