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中国政府の北韓難民強制送還

民団が中央委員会で抗議文



 第52回臨時中央委員会では、1月12日に中国政府によって北韓に強制送還された脱北同胞の事態に対して、抗議文を発表した。抗議文では、中国政府の非人道的措置を批判。脱北同胞の身の安全保障などを求めている。また、民団中央本部は中国大使館への抗議行動を起こすことを決めた。

 昨年11月、女性、子どもを含む北韓同胞7人が豆満江付近からロシアに脱出し、国境警備隊に逮捕された。脱北同胞は食糧難などによる生活苦からの越境を訴え、韓国亡命を希望していた。韓国政府も受け入れ交渉を進めていた。

 ところが、ロシアは中国経由で越境したとして12月末、中国側に引き渡し、中国側も韓国政府の再三にわたる引き渡し要請を無視し、今年1月12日に北韓に強制送還した。

 この事実を重くみた韓国政府は、外交上の失敗として洪淳瑛外相を更迭、李廷彬氏を指名した。


■北韓難民の強制送還に対する抗議文

 北韓からロシアに脱出し、韓国に亡命を求めていた北韓住民7人に対し、中国政府は去る1月12日、韓国政府の再三にわたる身柄引き渡しを拒否し、北韓に強制送還するという暴挙に出た。

 韓国と中国の間には、国交も樹立されており、経済分野を中心に良好な関係が続いていた。最近では両国国防相の交流など、軍事面でも関係が拡大しつつあった。

 その矢先に韓国政府の要請や、脱北同胞の基本的人権を軽視したのは、世界の趨勢に逆行するものと言わざるを得ない。

 われわれは、「地上の楽園」と騙し、10万余の北送同胞の生命と人権を脅かしている北韓の動向を常に関心を持ち、注視してきた。

 われわれは、国連から難民に認定されていた脱北同胞に対し、難民条約を批准している中国政府がとった今回の非人道的な措置に対して、ここに強い憤りを表明し、脱北同胞の身辺保障と希望通りに韓国に亡命できるよう、第52回臨時中央委員会の名において中国政府ならびに関係機関に求めるものである。

2000年1月18日


在日本大韓民国民団
第52回臨時中央委員会

■「RENK」でも中国大使館に抗議行動

 中国に脱出する北韓難民との連帯を掲げて行動している市民団体「RENK」(救え!北朝鮮の民衆/緊急行動ネットワーク)東京事務局は18日、ロシア大使館と中国大使館前で緊急抗議活動を行った。

 メンバーは多数の警察官が見守るなか、両国の非人道的行為を強く非難する抗議文を読み上げ、7人が生命の危険にさらされることのないよう改めて北韓に働きかけるよう要請した。併せて今後は、難民に対して適切な保護を与えるよう政策の転換を強く迫った。

 この日は両大使館とも門をぴたりと閉ざしていたため、抗議文はポストに投函した。同事務局では今後も多様な形で両国への働きかけを強めていくことにしている。

(2000.01.19 民団新聞)



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