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映画「シュリ」が22日から全国で公開



アクションシーンが見どころの「シュリ」

 タイタニックの動員記録を抜くなど韓国で大ヒットを記録し、日本でも試写会などで絶賛を浴びている映画「シュリ」が22日から全国で公開される。圧倒的なアクションとサスペンスで、日本でも公開前から大きな反響を呼んでいる。


■アクション

 冒頭の北韓特殊部隊の迫真の訓練シーンは、軍事情報誌、図書館、新聞などの資料や北韓特殊部隊出身の亡命者の取材に基づいて描写された。

 主人公の韓石圭はロープで降下する訓練でやけどを負い、金允珍(李バンヒ)は回転蹴りの訓練で歯を折り、崔岷植(朴ムヨン)も肋骨にひびが入るほどの熱演だった。また崔は他を圧倒するカリスマ性を出すために、10キロの減量を行ったという。

 銃器関係も、マニアであれば垂涎ものの人気機種が網羅されている。

 クライマックスのスタジアムのシーンは、サッカーの聖地・蚕室スタジアム。満員の観客の熱気を伝えるために実際の公式戦と、エキストラを使った場面を上手く組み合わせている。実際の試合は98年のワールド・カップ予選の韓国対中国という好カードなので、観客は異様な盛り上がりを見せている。


■絶賛の声

 「『シュリ』がこれからの娯楽映画を変える!」本広克行(『踊る大捜査線』監督)

 「ハリウッドのアクション映画とタメをはる映像のキレと編集。撮影監督の腕はピカイチだし物語も最高。そのクオリティにはただ驚くばかり。冒頭のシーンから、安い映画にありがちなダサいナレーションを使わずに映像だけでグイグイと見せていく力量は凄い」中野裕之(映像作家/『SFサムライフィクション』監督)

 「われわれがノホホンとした日常をむさぼっている間に、海峡を挟んだ隣国の本気の連中が本気で作っているではないか!訓練され抜いた者のみが可能な、一分の〓もない銃の構え方だけでもその違いが出ている。日常生活レベルにまで危機感が浸透している国にしか作れない本気のアクション映画」樋口真嗣(『ガメラ』シリーズ特撮監督)


ラブロマンスもたっぷり

■数々の受賞

 第36回大鐘賞で企画賞など六部門、第35回百想芸術大賞の作品賞、監督賞など3部門はじめ第22回黄金賞、第19回映画評論家協会賞など韓国映画関係の各賞を総なめしている。


□■ ストーリー

 1998年9月、2002年サッカーW杯のために南北統一チームが結成され、その選手選抜を兼ねた南北交流試合がソウルで行われ、そこには両国の首脳陣が招かれ観戦することになっていた。

 韓国情報機関OPの情報部室長ユ・ジュンウォンには、一カ月後に結婚を控えたイ・ミョンヒョンという恋人がいた。

 ある時ジュンウォンは、相棒と共に、武器密売人から情報を入手するために落ち合うが、彼らの目前で狙撃されてしまう。韓国にセン入し、多くの要人暗殺を成功させてきた北韓の第八特殊部隊の女性、李バンヒの仕業であった。

 ジュンウォンとジャンギルは狙撃事件の調査を進めるうちに、バンヒと特殊部隊長のパク・ムヨンが国防科学研究所が開発した液体爆弾CTXを手に入れようとしていたことを突きとめる。しかし性能テストのために移送中のCTXを強奪されてしまう。

 OPにCTXによるソウル内10カ所での爆破予告が届いた。必死の捜索にもかかわらず高層ビルで爆破事件が発生する。ジュンウォンは偽情報を流してムヨンをおびきだし、遂に追いつめるが、あと一歩の所でバンヒが現れて再び市街での銃撃戦が始まった。ジュンウォンは、負傷したバンヒを尾行して遂にその正体を知ってしまう。

 交流試合当日。OPに1000ドルと特別機を要求する連絡が入り、彼らは空港に向かうが…。

 やがて数万人の観客が集結したスタジアムの舞台裏では、ムヨンとバンヒたちが着々とある準備を進めていた。スタジアムへと急ぐジュンウォン。決着の時が近づいてきた…。

(2000.01.19 民団新聞)



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