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中国大使館前でシュプレ ヒコールする団員ら |
■7人の身辺保障を
非人道的行為に抗議の声
子どもを含む7人が北韓を脱出して中国経由でロシアに渡った後、国連機関によって難民認定されながらも中国政府が北韓に強制送還した問題で民団は24日、東京・港区の中国大使館に対して強制送還された同胞の身辺保障などを求めた申し入れを行った。
中国大使館への申し入れを行ったのは民団中央本部の金容雨副団長を代表に夫順末婦人会中央本部会長、崔喜燮青年会中央本部会長と民団東京本部・支部の役員らあわせて40余人。
大使館前で李健・駐日中国大使への申し入れを求めたが、中国大使館側は全く応じなかったため、金副団長が正面玄関前で申入書を朗読し、ポストに投函した。申入書は、(1)韓国政府の要請や脱北同胞の基本的人権を軽視したのは世界のすう勢に逆行する(2)中国政府は難民条約を批准していながらも非人道的措置を取った―として強い遺憾の意を表明し、「中国政府が脱北同胞の身辺保障をはじめとした人道的措置を」速やかに取るよう求めている。
代表団は「送還者の安全を確認せよ」「人道的措置を取れ」などと書かれたプラカードとともに「脱北同胞の身辺を保障しろ」などとシュプレヒコールをくり返した。
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「難民認定受けていた」
韓国内でも抗議行動
北韓に強制送還されたのは13歳の子どもを含む7人のグループ。北韓北端の豆満江付近でロシアに越境し、国境警備隊に逮捕された。7人は韓国への亡命の意向を明らかにしていた。
先月初めに国連難民高等弁務官が難民と認定したために韓国政府も受け入れを表明した。しかし、一度は出国ビザを発給したロシアは昨年12月末、7人を突然中国に追放した。また中国政府は韓国側の再三の身柄引き渡し要請にもかかわらず1月12日に北韓へ全員を強制送還した。
中国は難民条約を批准しているため、韓国側は中国が引き渡しに応じると考えていた矢先の出来事だった。内閣改造で新しく就任した李廷彬外相も14日に「7人は難民認定を受けていた」と強く抗議した。また韓国国内でも中国大使館へのデモなど強い抗議姿勢が続いている。
これらの事実を踏まえて民団でも、18日に開催された第52回臨時中央委員会で中国政府に対する抗議文を採択していた。
(2000.01.26 民団新聞)
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