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地方選挙権付与法案

与党2党が衆院に提出



最大の正念場となる通常国会
実現へいよいよ秒読み

 民団が全組織を挙げて展開している「地方参政権獲得運動」で、日本の自由、公明両党は21日、共同で「永住外国人への地方選挙権付与法案」を衆院に提出した。昨年10月の自自公3党の政治・政策課題合意では同法案成立が盛り込まれているが、自民党内の一部で慎重論が根強く、自由・公明2党での見切り発車になった。ただ、与党提出という立場もあり、法案の成立の可能性はかなり高く、民団が長きにわたって展開してきた運動の実りにむけ、今通常国会が正念場となりそうだ。

 自由、公明は通常国会2日目の21日、午後4時半に衆議院議長宛に「永住外国人に対する地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権等の付与に関する法律案」(永住外国人地方選挙権法案)を提出した。

 提出者は公明党幹事長の冬柴鐵三氏をはじめ、近江巳記夫、田端正広、中井洽、西野陽氏の五議員で、神崎武法公明党代表、藤井裕久自由党幹事長ら21人の議員が賛成者として名を連ねている。

 同様の法案は1998年9月に、公明党と民主党が共同で提出したが、あくまでも野党の立場。

 今回は自民党抜きの見切り提案ながら、与党提案という立場のほか、すでに民主党や共産党、社民などの野党も「付与」には肯定的な態度を示していることから、法案成立は時間の問題となった。

 今後、国会内での手続きを踏んで日程などが調整されるが、早ければ3月にも法案が成立する。

 同法案は永住外国人に、地方自治体の議会議員、首長の選挙権などを付与する内容。ただ、永住外国人は外国人登録法に基づく外国人登録原票の国籍が、国名が記載されている者に限っており、いわゆる朝鮮籍は除外されている。


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法案成立へ強い決意
冬柴鐵三・公明党幹事長

 長きにわたって粘り強く運動を続けてきた民団のみなさんと私たちの念願であった「永住外国人への地方選挙権付与法案」を国会に提出できたことを大変うれしく思います。

 私たちは一昨年、「新党平和」の時代に類似の法案を提出しています。しかし、それは野党としてでした。今回の法案提出は与党の立場としてのものだけに、大きな意義があります。

 法案の中身については、もとより十全のものではないことを承知していますが、現時点ではこれを良しとして進めていきたい。

 在日のみなさんにはこれに限らず、さまざまな制限が少なからず存在しますが、みなさんの渾身の努力をもとに、この間、信頼と友好の歴史の中で薄皮をはぐように、一つひとつ権利の実現をしてきました。

 今国会は重要法案が目白押しですが、今度こそ、みなさんへの地方参政権が実現するよう、この法案を全力で成立させるという強い決意で臨みます。

(2000.01.26 民団新聞)



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