民団新聞 MINDAN
在日本大韓民国民団 民団新聞バックナンバー
「故郷の家・神戸」長田区に着工

多文化共生の老人ホーム



「故郷の家・神戸」の完成予想図

■オンドルと畳部屋を設置

 【兵庫】在日同胞も日本人も共に、安心して介護を受けられる多文化共生の特別養護老人ホーム「故郷の家・神戸」の建設が、在日同胞集住地域の神戸市長田区で始まった。社会福祉法人「心の家族」(尹基理事長)が建設する特養ホームとしては堺市にある「故郷の家」に続いて二番目の施設となる。完成は今年9月末日の予定。

 建設中の「故郷の家・神戸」は、介護老人施設(特別養護老人ホーム)としてはもとより、短期入所生活介護(ショートステイ)や日帰り介護(デイサービス)も受け入れる。定員は合わせて90人。敷地面積2251u、延べ建坪は3657uの鉄筋コンクリート造りで地上3階、地下1階。オンドルの部屋と畳の部屋を併せ持つ。完工は今年の9月末日、入所できるのは11月6日からの予定。

 20日、長田区東尻池町の建設現場で行われた起工式には韓国側から金有培・大統領福祉労働首席秘書官と姜俊馨駐神戸総領事が出席、地元民団からも兵庫県本部の金孝副団長、婦人会から李甲出会長がお祝いに駆けつけた。また、日本側からも土肥隆一衆議院議員の関係者をはじめ地元住民多数が参加した。

 神戸での「故郷の家」建設は、兵庫県立湊川高校定時制で学ぶ在日同胞ハルモニたちの「神戸にもこんな施設を作ってほしい」との一言で始まった。


■国籍超えて受け入れへ

 96年のこと、ハルモニたちは堺市に「故郷の家」を訪ね、韓国語が話せてオンドル部屋でキムチ付きの食事ができる施設に魅了された。そのうちの1人、金容星さん(74)は尹基理事長に「いまはないけど息子に頼んだり、土地を担保にしたりして、逆立ちしてでも5000万円つくる」と何度も頼んだ。

 尹さんは当時、次は東京に在日と日本人の共生の施設をと考えていたが、ハルモニの熱意に動かされた。土地探しは難航したが、幸い三星ベルトが比較的安価な坪単価で土地を提供してくれた。地元住民も建設に好意的な反応を示した。

 起工式を終えての懇談会席上、「故郷の家・神戸」の建設委員長を務める金基周さん(民団大阪府本部監察委員長)と「在日韓国人老人ホームを作る会」の中川和雄・元大阪府知事は改めて住民側の協力を呼びかけた。

 土地取得費用を含む建設予算は総額で12億7826万円で、このうち6億8826万円は公的補助金を充てる。不足費用5億9000万円は一口1万円の賛助会員、一坪会員(一口46万円)、一部屋会員(一口1000万円)などの形で募っていく。

 募金期間は2002年3月末日まで。問い合わせ先は「在日韓国老人ホームを作る会」。電話0722(71)0884、FAX0722(71)5474まで。

(2000.01.26 民団新聞)



この号のインデックスページへBackNumberインデックスページへ


民団に対するお問い合わせはこちらへ