| 南大門や東大門市場なども 日本人韓国客の人気スポットだ |
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厳寒期でも威勢止まらず
昨年1年間に韓国を訪れた日本人観光客数は史上初めて200万人を突破、220万人に迫る伸びを記録したことが、韓国観光公社の調べで明らかになった。グルメ、エステ、ショッピングなどを目的とした若い女性訪韓客数の堅実な伸びが、全体の底上げに寄与したものとみられている。2002年にはサッカーW杯を控えているだけに、訪韓客数の「安定成長」は今後も続きそうだ。
日本人の海外渡航先は長らくハワイがトップの座を占めてきたが、昨年1月に初めて韓国が取って代わった。韓国の1万5200人に対し、ハワイは1万4800人だった。引き続き韓国の優位は動かず、昨年11月には200万人の大台に乗せた。
12月末までの1年間に韓国に入国した日本人観光客は、韓国観光公社が対内的な目標としていた220万人に迫る218万4121人(98年比11・8%増)、訪韓者数全体の46・9%と、ほぼ半数を占めた。
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ウォン安・エステ
助成の心くすぐる魅力
日本人の訪韓客数が初めて100万人の大台に乗ったのは、ソウルでオリンピックが開催された1988年。翌89年から92年までは130万人から140万人台を行きつ戻りつしていたが、93年からは堅実に増加している。
唯一、96年に限っては160万人台から150万人台へと若干の落ち込みをみせたが、これは特級ホテルの二度にわたる値上げが響いたようだ。
危機感を募らせた韓国観光公社では「日本人の心が離れている」と再三にわたってホテル業界に対して警告。宿泊料金が安定してからは再び増加に転じ、98年は前年比16・6%増だった。
この年は厳寒期でオフシーズンとされる11月、12月にも勢いは止まらず、29%増という「異例」の伸びを記録した。これは10月から放映された金大中大統領自ら出演したCM効果が大きかったとみられている。
2000年には日本人韓国客230万人(外来観光客全体では五百万人)を誘致、観光収入67億ドルの達成を目指している。
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若手女性の訪韓急増
日本人訪韓客を年代、性別に分けて分析した結果、20代から30代の女性の伸びが顕著になっているのが明らかになっている。韓国韓国公社の調べでは昨年は全体の40%を占めた。10年前は約30%程だったとされることから、この層が底上げに寄与したことは間違いなさそうだ。
ウォン安のメリットを活かしてのショッピング、キムチに代表される韓国食、エステが日本の各テレビ、雑誌でひんぱんに紹介されていることも若い女性の心を動かしたようだ。韓国観光公社では、日本全国で年間百本近い韓国特集が組まれていると試算している。
日本の企業が韓国を研修先に選び、忘年会会場としても利用するようになったのは95年ごろからのこと。長引く不況にもかかわらず、いまではすっかり定着した感がある。
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インフラの整備も大きな効果
一方、インフラの整備・拡充などを通じて日本人観光客の関心をつなぎ止めてきた韓国側の努力も見逃せない。24時間、買い物のできる東大門市場もそのひとつ。南大門市場や明洞でも、いま新しいショッピングセンターの建設を進めている。
日本人訪韓客の増加ぶりについて、韓国観光公社では「2002年までは止まらない」と予測している。それ以降は新しい需要を掘り起こし、若干の上積みを重ねながら「安定成長」を目指していきたい考えだ。
(2000.01.26 民団新聞)
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