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卒業証を手にはしゃぐ 東京韓国学校初等部の卒業生 |
卒業シーズンまっ盛りの3月、全国の民族学校で卒業式が行われているが、夜間中学に通うハルモニたちも母校を巣立った。
卒業シーズン真っ盛り―。民族学校はじめ各種の学校で卒業式が相次いでいる。卒業は新たな始まり、と進学や就職の希望に胸をときめかせて、それぞれの進路を進んでいく姿が見られた。
◆念願の卒業証、ハルモニの手に
字が書けた喜び…切々
ハルモニも卒業したよ…。東京・墨田区の文花中学(高橋忠雄校長)の夜間部に通う2人の同胞ハルモニが19日、同校で卒業式を迎えた。
この日、卒業式に臨んだのは文順南ハルモニ(71)と李順煥ハルモニ(77)。
文ハルモニはチマ・チョゴリ姿で出席し、卒業生代表のうちの一人として「別れの言葉」を述べた。9歳の時に母と一緒に渡日し、仕事に追われながら5人の子育てを終え、やっと学舎の前に立ち、文字が読み書きできた喜びを切々と語り、会場から大きな拍手を受けた。
◆顔クシャクシャに笑顔満面
緊張して「何言ってるか分からなかった」と言いながらも嬉しそうな表情。文字を一つひとつ覚えるのが楽しくてしようがなかったという。しかし「卒業証書いらないからもっとここで学びたい、死ぬまでおいて欲しい」とクラスメイトと別れる一抹のさびしさもあったようだ。
李ハルモニは、江東区塩浜からバスを乗り継ぎ、毎日1時間を掛けて通った。夫からは反対されたが、生まれて初めて学校に行けると押し切っての入学だった。年齢からくる体力の衰えにくじけそうになりながらも「学校へ行けば友だちに会える、疲れもなくなる」と楽しかった学校生活の思い出を語った。
同校は現在11クラスで約100人の生徒が学んでいる。在日同胞や最近渡日した同胞ら10人ほどが在籍し、2人がいるAクラスは8人の在日同胞だけで構成されている。
夜間学校は戦争など様々な理由で義務教育を修了でいきなかった人たちを対象に日本の公教育の一環として開設されており、東京では墨田、大田、世田谷、荒川、足立、葛飾、江戸川、八王子地区で8校が開設されている。
同校の須田登美雄教諭は、学校で学びたい人たちは是非門をくぐって欲しいという。
同校の連絡先は、03(3671)0264へ。
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卒業式で校歌を合唱するハルモニ (墨田区立文花中で) |
◆東京韓国学校初・中、116人が卒業
東京韓国学校(金龍満校長)初・中等部の卒業式が15日、同校で行われた。大使館や民団、婦人会をはじめ理事会、同窓会、PTAの役員らと父母らが見守る中、金校長から初等部63人、中等部53人の一人ひとりに卒業証が手渡された。
金校長は、「世界で活躍する国際人として誇らしい韓国人としてのプライドを持って、これからもがんばってほしい」とはなむけの言葉を贈った。
在校生代表による送辞と卒業生代表による答辞が述べられた後、卒業歌と校歌が合唱された。
初等部、中等部とも卒業生のほとんどは同校中等部、高等部にそれぞれ進学する。
◆金剛、白頭でも卒業式
【大阪】金剛学園(朴勝完理事長、李大燦校長)は14日、同校で小・中学校の部の卒業式を行った。
今年の卒業生は小学生17人、中学生22人だった。李校長は一人ずつに「おめでとう」の声をかけながら握手、卒業証書を手渡した。幼稚園の部では5歳児のオリニ18人が卒園していった。
また、白頭学院(金重根理事長、張成秋校長)では幼・小・中学校が、15日から18日にかけてそれぞれ卒業式を行った。卒業生は幼稚園8人、小学校20人、中学校が44人。
(2000.03.22 民団新聞)
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