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学生・教員の交流拡大

韓日文相会談で合意



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韓国側、同胞教員の進出も要請

 韓国の文龍鱗教育部長官は20日、日本の文相として初めて韓国を訪問した中曽根弘文文相と会談、両教育担当相は21世紀に向けて教育、文化の分野で緊密に交流を進めることで意見をともにし、「相互理解のため学生や教員などの交流を進める」ことなどの合意内容を共同で発表した。日本が韓国の小中高等学校の教員を授業参観や交流などのため、年間約50人招待するほか、2000年度から2010年度までに理工系学部への韓国からの留学生を1000人に増やすなど、今後、活発な交流が繰り広げられる。


■教員、年間50人招待 理工系留学生も1000人

 会談の中で文長官は、「韓日両国民の相互理解のため、両国の歴史教科書が一層未来志向的に発展するよう努力していくことが重要だ」と強調。

 これに対し中曽根文相は「両国民との交流の歴史について、次代を担う青少年に客観的に教えていくことが大切」とした上で、「学問研究の成果に基づいて両国の教科書がより未来志向的な観点から充実することが望ましい」と応じた。

 文長官は、教員免許を持つ在日同胞の公立学校教員への進出などを要望。また2000年度下半期に韓日教育改革フォーラムの開催や大学院に関する教育プログラムの比較研究、情報交換を提案した。

 これについては、今後両国の事務レベルで詰めていく。教育相は日本への招待を快諾した。

 教員の招待や理工系留学生を増やすのは、1998年10月、金大中大統領が訪日した際、小渕総理と発表した「韓日共同宣言」の中で、青少年交流の充実などを盛り込んだことへの具体的措置。教科書の「従軍慰安婦」に関する記述問題などで、教育分野の交流は立ち遅れていた。

 留学生の2000年度受け入れは100人で、順次増やす。韓国の大学で日本語などの予備教育を半年間受けた後、さらに半年、日本の大学で予備教育を受ける計5年間のプログラムとなる。費用は韓日両国政府が折半する。

 受け入れるのは東大、京大など全国の25の国立大。

 韓国からの留学生は、99年5月1日現在で11,897人と、日本への留学生の約22%を占めている。

 このほか、来月東京と沖縄で開催される主要八カ国の教育相会合「教育サミット」に関して意見交換したことや、相手国の言語教育を相互に振興していく必要性を強調した。

(2000.03.22 民団新聞)



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