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常設展「朝鮮半島の文化」

17年ぶりにリニューアル



喪礼(葬礼)に関する資料は
今回のリニューアルを期して
新たに加えられた(国立民族学博物館)

◆文化の多重生のスポット
 国立民族学博物館

 【大阪】大阪の国立民族学博物館(吹田市千里万博公園内)が、常設展示場の東アジア「朝鮮半島の文化」を17年ぶりに一新して18日、リニューアルオープンした。従来の「民間信仰」、「芸能」、「食生活」、「住生活」、「衣生活」、「儒教」の各コーナー構成は基本的に踏襲しつつも、視座は現在に置き、韓国社会に今も息づく文化の多重性を浮き彫りにした。

 会場左壁面には、植民地時代の文化、キリスト教文化、儒教文化、仏教文化と遡り、最も奥に基層文化である巫俗文化を置いた。こうした展示構成で韓半島の歴史文化をたどり、現代韓国の多重性を知ることができるようにしたという。

 中央空間部は、衣食住を中心とする人々の暮らし。「住文化」の象徴として済州道民家の模型を入り口正面に置いたのは、大阪に済州道出身者が多いことに配慮したため。ここからは奥に並ぶ「生産用具」、「食生活」、「人生儀礼」「巫俗文化」の各コーナーが見渡せる。

 「食文化」のコーナーには今では珍しくなった木製のキムチかめを韓国から運び入れた。中央空間部の後部の「衣文化」では、トル(満1歳の誕生日)、婚礼に加えて、これまでなかった喪礼(葬礼)に関する資料を配置してある。

 民家模型と並ぶもう一つの目玉は、右手中庭に再現展示されたオンドル入りの酒幕(チュマック)。酒幕はかつては旅人らの休息の場であり、飲食と宿泊、そして情報交換の場でもあった。忠清南道から大工を呼び建てたもの。木材や壁土などは韓国から運んだ。

 常設展「朝鮮半島の文化」は、83年11月から一般公開されてきた。当時は、「民間信仰」と「儒教」という韓国の現代における精神生活を規定している二つを大きな柱に、衣食住の物質文化を配列する構成をとった。今回のリニューアルにあたっては一つひとつの文化伝統をコーナー別に分けて展示、小中学生でも韓半島の文化の多重性を理解しやすいように工夫したという。例えば、仏教文化では、南アジア、東南アジアの文化と比較できるようになっている。

 写真、ビデオなど100数万件に及ぶ画像データも自由に検索できる。入場料金は一般800円、高・大学生430円、小中学生240円。

 問い合わせは電話06(6876)2151まで。

(2000.03.22 民団新聞)



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