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21世紀への重責になう金宰淑執行部



 民団中央本部の第43代団長、金宰淑執行部が出帆しました。20世紀から21世紀にまたがる時代の橋渡し役を担う在日同胞のトップリーダーとして、内外から大きな注目を浴びています。


■地方参政権運動の継続強化

 「私たちの最大の課題である地方参政権の獲得が目前となりました。しかし、確実に獲得するためにも継続して全団的に総力結集し、要望を強化していこう」。記者会見で金団長が開口一番に地方参政権獲得運動の継続強化を訴えました。

 そのためにも金団長は大会の席で「地方参政権運動推進特別委員会」(仮称)の設置を提起しました。そして、同運動を提起しこの6年間、身を削る覚悟で粘り強い要望活動を展開し、立法化目前までリードしてきた辛容祥前団長を推進委員長に推戴し、運動継続の重要性を示しました。

 また、全国で展開してきた在日同胞子弟の民族教育は大きな転換期を迎えています。世代も移り変わり、現在の子どもたちは3〜5世世代と変わっているからです。大半の子弟が日本の学校に通っている現状や父母たちが2・3世という実状を考慮した民族社会教育運動に視点をおかなければなりません。

 大きな成果を挙げている「オリニ土曜学校」や「民族大学」の継続強化はもちろん、今後は、青少年や2・3世のオモニたちを対象にした「青年大学」や「オモニ教室」なども企画していくべきでしょう。さらに、全国の同胞オリニが一堂に会して、「仲間の輪」を広げていく場「オリニ・ジャンボリー」も期待されています。

 在日同胞経済の血脈である韓信協(在日韓国人信用組合)信組の生き残りをかけた統合・再編は最も急がれる課題です。私たちの信組を作ったのは民団であり、団員です。民団と韓信協、韓商が力を合わせ、さらに一般団員も一緒になって現実を考え、率直な意見を出し合っていけば、統合・再編は必ず実現するでしょう。


■21世紀へのビジョン模索

 2002年ワールドカップ韓日共催は、「21世紀の韓日は過去の歴史を乗りこえ、新しいパートナーシップで二人三脚を」と、まさに天が与えた使命です。在日同胞は韓日民間レベルの架け橋的存在としてその役割を果たしていけるのです。

 ソウル五輪で見せた在日同胞の誠意を再び結集し、「十億円募金」をはじめ、開催地を中心にした日本社会との交流をさらに拡大し、共生・共栄の基盤を固めていかなければなりません。そして、2002年W杯を終えた後も継続して日本社会と共同作業を続けていくことが大切なのです。

 われわれの先達が半世紀以上にわたって作り上げてきた20世紀の民団を次世代たちが誇りを持って継承していけるよう、新しい時代に見合った組織に作り変える作業も大きな課題です。

 在日同胞の優秀な知的力量を各界各層から集めた「在日21世紀委員会」(仮称)を構成し、同胞社会の現状調査・研究を通じて中・長期的なビジョンが確立されるでしょう。若い世代たちが何を望んでいるのかを把握し、団員みんなが自由に話し合いができる雰囲気作りを高め、誰もが参加できる、「開かれた民団」に変えていかなければなりません。

 21世紀を目前にし、金宰淑執行部の果たしていく役割はとても大きいのです。私たちの子孫が誇りを持って堂々と生きていける21世紀の在日同胞社会を全団員がスクラムを組んで作り上げましょう。

(2000.04.05 民団新聞)



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