昨年、日本で韓国語能力試験を受けた時、問題文が韓国語だったのでとまどった。
なにを当たり前のことをと言われるかもしれないが、答えを考えるよりも前に、肝心の問題の意味が分からないのだから、さぁ大変。
語学堂の授業でも同じ事で苦労の連続。文型の理解が先か、とにかく先生の話に集中するか。慣れるまでには随分時間がかかった。
授業では教科書を用いずに、与えられたテーマでそれぞれの意見を発表することもある。ある日のテーマは「料理」。みんながそれぞれ旅行先で食べた珍料理や、得意料理の秘訣を話す中、「韓国料理とヒゲの相関関係について」という話をしてくれた男の子がいた。
タイトルは難しいが、内容はいたって単純。韓国料理は辛いため、食べると汗をかくので韓国人男性にヒゲの濃い人が少ないという。真偽のほどはともかくとして、まだつたない韓国語で真面目にこんな話をするのだからおもしろくないわけがない。教室中が爆笑の渦だった。
しかし会話力にあまり自信のない私にはつらい時間だ。そこで午後には別の語学院で個人授業を受けることにした。これが私の韓国生活上で唯一の贅沢(?)。
生徒は私一人きりだから、考える時間もメモを取る時間もない。とにかく先生と話す、それが一番の課題。
表現や文型を先生に直されればチィチィパッパと繰り返し、頭の中にたたき込む。早く冗談くらいは言えるようになりたいものだ。
語学を学ぶ上で、一番邪魔なものはプライドであり、大切なのはセンスといわれる。笑われながらもなんとかセンスを磨いていきたい。
(2000.04.05 民団新聞)
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