民団新聞 MINDAN
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辛野乃の短期母国修学記<9>

真夜中のお買い物



 草木も眠る丑三つ時、大勢の人でにぎわう場所がある。ショッピングタウン東大門市場である。

 中間試験も終わり、春も近いことだし、ストレスの発散も兼ねて友人たちと真夜中のお買い物に出掛けることに。夜12時に新村を出発し、始発の地下鉄に乗って帰ろうというこの企画。実際にやってみると、ただただ「しんどかった」としか言いようがない。

 ワンフロアに100店舗近くの小型店が並ぶビルを2軒はしごして歩いた。最初はウキウキ、ワクワク。この服がステキ、あの靴がかわいいとうろうろしているうちに、私は段々イライラしてきた。

 それは何かというと店員の態度とお客たちのマナーの悪さにである。

 商品を前にしながら夜食を食べるくらいは当たり前、店から出るときには商品を「踏みながら」出てくる。汚れても踏んでも平気な物を人に売っているのだろうか。日本人を前にすると韓国語が分からないと思って平気で悪口を言っている。こちらが韓国語を口にした後の豹変ぶりは見苦しいほどだ。

 そして日本から来たとおぼしき人たち。日本は「お客様は神様です」という考えの商売かもしれないが、ここは日本ではない。

 当然のように日本語で話しかけ、店員の不自由な言葉を笑う姿には悲しくなってしまった。人の流れに押されたからと言って、背中にガムを投げつける人には驚くよりも呆れた。

 韓国が「観光」をアピールし、「買い物天国」を掲げるのであれば、より多くの人が訪れてくれるように直してもらいたい所がたくさんある。安く買い物できることはうれしいが、「気分良く」買い物できることも重要なことのはずだ。

(2000.04.19 民団新聞)



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