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石原発言、全国同胞怒りの声止まらず

民団中央、「釈明を」と面談申し入れ



来団した東京都国際部関係者に
責任ある回答を求めた具副団長(左)

 東京都の石原慎太郎都知事の「三国人」発言について民団中央本部は10日、「哲恩宣伝局長名で抗議声明を発表する一方、東京都の国際部を通じて抗議を申し入れた。

 11日に国際局の徐元赴ヌ長らが都庁を訪れ、民団の抗議声明を伝達すると同時に「知事が自らの発言の真意を直接民団代表に会って釈明すること」と強い抗議の意志を伝えた。

 一方、石原都知事は12日に釈明会見を行ったが、「三国人」発言を撤回せず、治安出動も「抑止力」と強調した。

 14日午後には都の川島国際部長、金山課長らが民団中央本部を訪れ、知事の会見をもって釈明回答としたい旨の回答が寄せられたが、対応した民団中央本部の具文浩副団長らは@知事自らが民団代表に会って釈明することA知事がどうしても都合が悪い場合、知事に準ずる責任ある者が対応するB正式申入書を伝達し、文書で回答する事を求めた。

 その間、民団中央は再三にわたって都知事への直接の抗議申し入れを行ってきた。一方、都議会の公明党とも調整を図り、公明党も「何らかの謝意を表明すべき」と知事に申し入れるなど、抗議の意を伝えた。

 これら動きに対して石原都知事は14日夕に再度記者会見を持ち「三国人」は不法入国した者を指し、在日韓国・朝鮮人など一般外国人の心を不用意に傷つけたとすれば遺憾、今後一切使わないと記者会見で表明した。

 都では現在、民団の抗議に対する対応について最高幹部と検討しているというが、民団では早期の回答を求めている。


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石原都知事が遺憾の意表明

14日の石原都知事の会見内容は次の通り。

 不法入国した外国人のことを「不法入国した三国人」と表現しました。

 このことが在日韓国・朝鮮人をはじめとする一般外国人の皆さんの心を不用意に傷つけたとしたら、それは私の本意ではなく、遺憾です。

 一般の外国人の皆さんの心を傷つけるつもりはないので、今後は、その言葉を一切使わぬように致します。


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全国で怒りの声止まらず

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石原発言訂正求め太田府知事に要望
民団大阪

 【大阪】石原慎太郎都知事の発言に関連、民団大阪本部(金清一団長代行)は、大阪府としても「人権尊重」「国際化推進」の立場から都知事の発言をただすよう求めた太田房江知事宛の要望書を12日、人権室(津地善勝室長)に提出した。人権室は民団側の要請で設けられた大阪府の窓口。

 要望書のなかで同本部は「都知事発言は外国人総体を危険視したもの」と断定、外国籍府民は大きく人権を侵害されたと抗議、都知事発言を近畿ブロック知事会の場で「人権意識向上の問題」として取り上げるよう津地室長に求めた。同じく、全国知事会の席でも「国際化推進のための課題」として論議できるよう働きかけてほしいと要請した。津地室長としても検討を約束した。


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震災の地からも抗議の声
民団・総連・華僑
被災地の在日3団体が抗議

 【兵庫】「国境の壁を超え困難克服した」。石原慎太郎東京都知事の「三国人」発言について、民団兵庫県本部(李且守団長)と朝鮮総連同県本部(李文伊委員長)、神戸華僑総会(林同春会長)は17日、連名で「平和と友好を求める人々に対する重大な挑戦であり、許し難い」などとする抗議文を同知事あてに送った。

 抗議文は「われわれは阪神大震災という大きな災害に遭遇したが、民族と国境の壁を超えて多くの困難を克服した」などと指摘。「発言を撤回し、他民族に対する排外的差別観を改めるよう強く要求する」としている。

 記者会見した民団兵庫県本部の金孝副団長は「震災で一生懸命頑張ってきた5年間はなんだったのか」とし、朝鮮総連同県本部の李委員長は「この問題は北であれ南であれ、全在日同胞にとって許せない発言」と話した。

 また、神戸華僑総会の林会長は「三つの団体がいかに日本の人々と歩み、共生してきたか。(「三国人」発言に)言いようのない怒りを感じる」と語った。

(2000.04.19 民団新聞)



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