民団新聞 MINDAN
在日本大韓民国民団 民団新聞バックナンバー
改正入管法・変更点と問題点<下>



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
不法滞在・入国者
日本人や永住者と結婚なら
「在留特別許可」で救済

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


六、退去強制手続と在留特別許可の実際

■退去強制手続と在留特別許可

 退去強制手続とは、退去強制事由にあたる者について行われる手続であり、退去強制事由は入管法24条に規定されております。

 その内容は、@不法入国者A不法上陸者B資格外活動者C不法残留者D仮上陸条件違反者E退去命令違反者F刑罰法令違反者G売春関係業務従事者H暴力主義的破壊活動者I日本国の利益や公安を害する者―となっております。

 以上の退去強制事由にあたると思われる者について、退去強制手続が行われることになるわけです。

 具体的には、入国管理局の調査摘発、本人の自主申告や警察の職務質問によって、退去強制事由にあたると思われる者が、入国管理局に連れて行かれ、入国警備官による違反調査をして、本当に退去強制事由にあたるかを調べるわけです。

 この違反調査以降の手続きは、収容または仮放免手続き、入国審査官への引渡、入国審査官の違反審査、特別審理官の口頭審理、法務大臣への異議の申出、法務大臣の裁決、という流れをたどります。

 この手続きは、最終的には、放免、強制送還、在留特別許可のいずれかに落ち着くことになります。これらの手続きは、各段階が順々に積み重なるように展開していくものとなっております。

 以上が、退去強制手続の概要でありますが、実際は、帰国希望か在留希望かに大別され、帰国希望の場合は、違反調査から違反審査後の強制退去までが、速やかに行われております。

 これに対し、在留希望の場合は、以上の手続きのすべてを行わなければならず、かなりの時間がかかってております。


■在留特別許可の実際

 不法滞在者や不法入国者でも、日本人や特別永住者と結婚して家庭を築いている場合等には在留を希望すれば、たとえ退去強制事由にあたる者でも本国に送還されずに在留が特別に許可される可能性があります。この特別の許可を在留特別許可といいます。

 入管統計によるとこの在留特別許可を取得する件数が年々増加しており、1992年には全国で482件であったのが、1998年には2497件にのぼり5倍以上となっており、さらに許可の件数は増加する傾向にあります。

 当事務所でも、これまで多くの在留希望者の在留特別許可取得を援助しました。中には偽造旅券で入国し、自分の旅券を所持していない方も含まれております。

おわり
…………………………
行政書士・崔聖植

崔国際行政事務所(東京都渋谷区代々木2-23-1-856)電話03(3320)7260

(2000.04.19 民団新聞)



この号のインデックスページへBackNumberインデックスページへ


民団に対するお問い合わせはこちらへ