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民団大阪西成支部会館活用

行政が出向しデイサービス



天気の良い日は近くの公園に
繰り出すことも多い

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西成区役所の「健康いきいき教室」
韓国民謡・舞踊で体操も

 【大阪】明るいおしゃべりと笑い声が響く午後のひとときー。民団大阪西成支部(孫貴祐支団長)会館で毎月1回、管内同胞高齢者のための「健康いきいき教室」が開かれている。西成区役所健康福祉サービス課と西成保健センターが民団西成支部との連携のもと職員が出向いて健康相談や体操指導などを行っているもので、参加者から好評だ。

 14日は、ハルモニたち30人余りが参加した。行政側からは毎回四、5人の職員がやってくる。内容は固くなった筋肉をほぐしていく軽い体操と、ゲームを中心にした2時間余りのプログラムが中心。

 参加したお年寄りは終始なごやかで、笑い声が絶えない。これは職員が在日同胞高齢者のニーズに応えようと努力しているためだ。

 「日本的なことをしては心を開いてくれないのではと思って『いきいき体操』はハルモニたちの民謡に乗せて韓国舞踊に。職員も教わって一緒に踊りました」(保健婦の管野豊美さんの話)。「異文化体験」は20代の若い保健婦にとっても刺激になったという。

 保健センターの職員がちらし広告の紙を利用して紙飛行機作りを指導したときのことだ。あるハルモニからは「私はこの飛行機でソウルに行きます」と軽口さえも飛び出し、周囲を和やかな雰囲気で包んだ。

 西成区では大阪市の「高齢者福祉推進プラン」にのっとって97年から在日同胞高齢者のための健康促進事業を模索してきた。はじめは行政主導で企画し、在日同胞高齢者に参加してもらうことも考えたというが、「待っていては1世は来ない」と行政自らが出向していくことにした。たまたま介護保険の導入が迫っていたこともタイミング的には幸いしたようだ。

 行政側は限られた予算のなか、ゲームにも工夫を凝らしている。ボウリングはペットボトルの空き瓶をピンに見立てている。このほか、いすに座ってサッカーボールを蹴ったり、ビーチボールを使ってのバレーボール遊びなどだ。

 プログラムの締めくくりでは、婦人会西成支部(金東順会長)の用意した軽食をつまみながら懐かしい故郷のノレに興じる。ハルモニたちは「来てよかった。ここに来るとみんなに会えるから。家にいてもテレビ見ているだけだし」と喜んでいる。

 一方、行政側も「私たちとは異なる文化や習慣を教えてもらっている。出向してきてよかった。これからも地道に続けていきます」と話している。

 「健康いきいき教室」は毎月第2金曜日午後3時から。民団西成支部への問い合わせは電話06(6651)4777まで。

(2000.04.19 民団新聞)



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