民団新聞 MINDAN
在日本大韓民国民団 民団新聞バックナンバー
民族大学「コリアンアカデミー」

愛知と神奈川が常設へ準備



■□
今夏のスタート目指して

 昨年から各地区で開催され、在日同胞ばかりでなく地域の日本市民からも好評を博した講座制民族大学・コリアンアカデミーのうち、神奈川と愛知で常設化へ向けて準備が進んでいる。現在常設されているのは東京コリアンアカデミーだけだが、今夏から秋にかけて両地域で常設されれば三地域で常設教室が運営されることになる。

 昨秋から今年2月にかけて全10回講座を開いた神奈川では、民団神奈川本部自体が非営利法人(NPO)として活動していることから地域に開かれた教室にしようと「インターナショナル・アカデミー」とネーミングした。

 講義内容も、韓国、在日の歴史・文化などに加えて日本の公教育の民族教育実践や神奈川県の国際化に向けた現況など、韓日を結ぶ内容も取り入れられるなどユニークな講座となった。受講生も140人を超すなど、主催側も十分に手応えを感じたようだ。

 9月には第1回講座を実施したいと、現在常設化へ向けて準備段階に入っている。今回もNPOの一環として、地域に開かれた講座を目指す。講座は月に1回の開催で、通年開催する計画だ。


■□
実践的講義も取り入れ
人気のフィールドワークを継続

 講座内容も、在日同胞の地域共生という視点から、身近な生活に根ざした問題を取り上げていく予定だ。また愛知教室で好評を博した渡来文化史跡を巡るフィールドワーク形式も積極的に取り入れたいという。

 一方、愛知のアカデミーも昨年9月から今年2月まで全10回講座を開催した。93年に第1回の講座を開講して以来、二度目の開催となっているが、短期の講座はその間毎年開催し続けてきた。

 前回の講座は70人が受講したが、これも継続して続けてきた努力が担保となっているようだ。

 愛知教室の常設化も今年7月初には第1回講座を開催する計画で準備に入りつつある。前回受講生のアンケート結果から、人気が高い歴史講座を中心にしながらも、より幅広い内容を模索していくという。老人介護の問題がクローズアップされる中、介護の現場に携わる人や社会福祉に関わる講師も活用していきたい考えだ。

 また前回実施したフィールドワークも、各地で発見される古墳について専門家を招請して実施する計画も持ち上がっている。

 前回修了後、修了生ら25人ほどで同窓会も構成され、歴史探訪の企画も出されているという。

 両地区でコリアン・アカデミーが常設されれば、在日同胞の生涯学習として歴史、文化などの知識を学べる講座制民族大学の拠点がさらに広がる。

(2000.05.17 民団新聞)



この号のインデックスページへBackNumberインデックスページへ


民団に対するお問い合わせはこちらへ