民団新聞 MINDAN
在日本大韓民国民団 民団新聞バックナンバー
市をあげて韓日文化交流

強制連行ゆかりの地・大牟田



甘木中での学校公演

■□
民団が音頭取り、小中学校巡回し公演も

 【福岡】三井三池炭鉱の町、大牟田で韓国理解を増進させる日韓文化交流のつどいが27日、大牟田文化会館で開かれ、五百余人の市民や民団員がホールを埋めた。

 つどいでは、一昨年に全羅南道立として設立された長興大学の李永権学長はじめ国楽科のメンバーら16人が来日、農楽、サムルノリ、パンソリなど韓国伝統の芸術を披露し、市民を魅了した。日本側からは和太鼓の「火の国源流太鼓」、大牟田ジュニア合唱団、音楽家協会による声楽やピアノ演奏が会を盛り上げた。

 同企画は、大牟田で日本の小中高校を巡回して、在日韓国人の存在や韓国への理解を求めて講演を続けてきた民団大牟田支部の禹判根支団長(本部副団長)が呼びかけた。

 炭鉱への強制連行という暗い歴史を乗り越え、新たな韓日友好の時代を築いていきたいという呼びかけに対して、大牟田市はもとより市教委、市のライオンズクラブ、青年会議所、サッカー協会、財団法人福岡国際交流センターなどが理解を示し、市をあげての集いとなった。

 各団体によって開催のための実行委員会が構成される中、禹支団長が実行委員長に就任し、会の成功のために奔走してきた。

 会場には栗原孝大牟田市長も駆けつけ「両国の暗い歴史を克服し、次の世代につなげていきたい」と祝辞を述べた。

 韓国側からも徐賢燮駐福岡総領事が「韓国と歴史が深い大牟田で市民レベルの文化交流が行われることは意義深い」と激励した。

 また、前日の歓迎レセプションには民団側から姜泰守福岡県本部団長、朴興謨同議長、金泰植熊本県本部団長、金信夫福岡韓商会長らも駆けつけ、韓日交流の会の成功を祈った。

 さらに、より多くの若人に韓国文化を紹介したいという観点から、公演企画にとどまらず長興大のメンバーらは市内の小中高校、大学に足を運び、学校公演も開催した。

 27日午前には徴用犠牲者の慰霊碑がある甘木山にある甘木中学(介弘紀子校長)を訪れ、地域に開かれたコンサートとして親しまれている「風の夢」に出演した。生徒や父母ら300人の前で迫力いっぱいの農楽などを披露し、大きな拍手を受けた。

 禹実行委員長は「一つひとつ実りのある交流を続けていくことが真の韓日理解になる。未来を担う子どもたちに見せたかったのもそのため」と会の成功を喜んだ。

(2000.05.31 民団新聞)



この号のインデックスページへBackNumberインデックスページへ


民団に対するお問い合わせはこちらへ