民団新聞 MINDAN
在日本大韓民国民団 民団新聞バックナンバー
祖国統一の願いへ大きな一歩

南北共同宣言・在日同胞の声



在日同胞に大きな希望を与えた
南北両首脳の固い握手

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統一への希望、全同胞が確信
金昌植・民団大阪府本部団長(62)

 今回の南北首脳会談成功で55年間という長い分断の歴史にピリオドを打ち、和解と統一に向けて大きく加速していくものと信じたい。

 金大中大統領が平壌に到着し金正日国防委員長と固い握手を交わした瞬間、深い感動を覚えた。この握手を見て「共同宣言」の発表を確信していた。この宣言は七千万同胞に統一への夢と希望を与え、一千万離散家族たちの再会実現がかなうことになったことを大いに喜びたい。

 全国でもっとも同胞が多く住む大阪だからこそ、今後、今まで以上に総連に呼びかけ、交流を幅広く実現していきたい。


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いつでも総連と対話の用意
姜泰守・民団福岡県本部団長(56)

 注目されていた共同声明が両首脳によって無事サインされたことで南北の和解と交流へ大きなスタートとなった。

 県下同胞も連日ニュースを通じて注目していたが、みな両首脳の英断に誇りと勇気を感じた。また、金正日国防委員長や北韓の歓迎ぶりをみてこれまでの敵対意識から少し親しみを感じさせた。金正日さんの訪韓の日が楽しみだ。

 民団福岡はいつでも総連と話し合いをする用意があり、かつて、福岡支部が民団と総連の合同で花見大会を実現したことがあった。今後、総連の委員長とも対話を進め、花見や敬老会、スポーツなど、同じ地域に住む同じ同胞の立場で交流を進めていきたい。


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在日資本の対北投資を
朴一さん(大阪市立大教授、兵庫、44)

 今までは在日韓国人が韓国に投資し、総連系が北朝鮮に投資することしかできなかったが、首脳会談の実現によって、在日韓国人資本の北朝鮮への投資の可能性が出てきた。韓国財閥系企業が投資を始めた後、韓国政府が後ろ盾になって、在日の韓国系商工業者に北朝鮮への投資を促していくことになるだろう。

 北朝鮮には、これまで在日の総連系企業が1990年からの改革開放路線に連動した投資を継続してきた。これに韓国系企業の投資、さらに在日韓国系企業の投資が加われば、本格的な北朝鮮経済の再生につながるだろう。


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民団と総連のトップ会談を
柳尚煕さん(二松学舎大教授、千葉、67)

 このチャンスを逃がしてはならない。金大中大統領と金正日国防委員長が、心を新たにして両手で親しみの握手をしたように、民団と総連もいまこそトップ会談を実現させてほしい。

 在日同胞は全部が全部一致団結して南北首脳会談をさらに実りあるものにしていく責任がある。そのための話し合いをしてほしい。この際、お互いに過去のことは問うまい。お互いに虚心たんかいに話し合いの席に着き、在日同胞社会の将来について話し合ってほしい。


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握手の温もり和解と信頼へ
呉崙柄さん(貴金属加工職人、東京、55)

 金大中大統領と金正日国防委員長が握手しただけでも、最終目標は達成されたと思う。一度会えたことで、これからもお互いに会おうと思えば会える状況になったんだし、それで十分だと思うんです。早急な成果を期待すべきではない。

 今まで様々な誤解や問題があったが、これからは対立ではなく、和解の対象ととしてお互いに信頼を深めあっていってほしい。会って握手したことで、お互いの温もりは伝わっているはず。この温もりが冷めないよう大事に育てていくことを望みたい。


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在日同胞間の敵視やめよう
河正雄さん(在日韓国人文化芸術協会会長、埼玉、60)

 待ちに待ってやっとこの日が来た。韓国だけでなく北も、全世界がこの日の来るのを待っていた。過去にはうまくいかないこともあったが、これから前向きに前進していくことを期待したい。

 一方で、こんなに常識的であたりまえのことができず、55年間も無為に過ごしてきたことを在日の一人として反省している。本来、在日は韓国と北の間を取り結び、いい関係を築ける立場にある。なのに、お互いにあまりにも敵視しあい、足の引っ張り合いを続けてきた。

 これからは一つの同胞としてイデオロギーや組織を乗り越え、統一の雰囲気を盛り上げていかなければならない。


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南北関係の改善に期待
金義男さん(内装工事業、西東京、56)

 金正日国防委員長が金大中大統領に対して、思っていた以上に柔らかく応対してくれたのを見て意外な感じがした。肉声を聞いたが、冗談も言うし、強面という先入観がすっかり崩れてしまった。もうそのときから会談の成功を信じた。南北の関係改善が進むことを信じたい。


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統一こそ道理、改めて確認
金光敏さん(民族教育促進協議会事務局長代行、大阪、28)

 とにかく感動。よくぞ会談を成功させ、統一への方向性を提示してくれた。両首脳に心から感謝したい。民族社会にとって“統一こそが道理”だということをあらためて確認した。この話題は全国の同胞家庭で語られているはずだ。大切なことは、そんな大人たちの姿を見て、子どもたちは育っていくということ。

 「不信から信頼、分断から統一」。同胞社会の努力は、間違いなく子どもたちの未来を拓く。統一の時代を主体的に受け止めるためにも、民団、総連はもちろん、すべての同胞が民族教育をはじめ同胞の諸課題に共同で取り組んでいくことを提案したい。

(2000.06.16 民団新聞)



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