朝鮮籍の在日同胞プロボクサーが来月、WBCスーパーフライ級チャンピオンの韓国選手に挑戦することになり、「プロボクシングの南北決戦」として注目されている。南北のボクシング選手が世界タイトルをかけて戦うのは初めて。特に南北首脳会談成功直後に開かれることもあり、大きな関心を呼んでいる。
話題の挑戦者は金沢ジム所属の在日同胞3世、洪昌守(日本名=徳山昌守・25)で、8月27日、大阪府立体育館で同級王者の韓国のソウ仁柱(韓国・豊山体育館)とタイトルマッチを持つ。
洪昌守は東京生まれで、幼い時は空手大会で何度も入賞したファイター。
昨年9月、東洋太平洋ボクシング連盟(OPBF)スーパーフライ級のタイトルを獲得した後、二度の防衛を経て今回の世界タイトル挑戦となった。
洪昌守はインタビューでも自分が在日朝鮮人であることを堂々と明らかにする選手として有名。周囲から「帰化して日本人としてリングに上がれ」と説得されたが朝鮮籍を保持し続けてきた。
94年にプロデビュー。このとき、本名でリングに上がろうとしたが結局、周囲の反対から通名を使用するようになった。
しかし、試合では「KOREA IS ONE(韓国はひとつ)」と書いたパンツをはいてリングに上がっている。
韓国の王者と行う来月のタイトルマッチでは彼の要請で韓日両国旗のほか、北韓の旗も掲揚される予定だ。試合のポスターも地球を背景にポーズをとっている両選手の間に韓半島が描かれてあり、「私たちの願いは統一」との文句が入っている。
(2000.07.12 民団新聞)
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