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オランダ・ベルギーのサッカー欧州選手権

一足早い「共催」の現場を見る



欧州サッカーのすばらしさを
見せたフランス代表

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子どもから大人までが観戦
さすがサッカー先進国

 韓国と日本が共催する2002年ワールドカップ(W杯)まで2年足らずとなり、本格的なカウントダウンが始まった。

 同じく初の共催として注目されている欧州選手権(オランダとベルギー)が真っ最中の6月26日から6日間にわたって両国を視察することが出来た。2002年W杯の決勝戦が行われる横浜市の視察団に同行した。

 同じ共催でも韓国と日本とは違って、オランダとベルギーとはいささか状況が違う。


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サポーター配慮の運営に関心

 言語もほとんどが英語が通じることもあり、通訳ボランティアも少数で済む。さらに陸続きのため、入国手続きがほとんどなく、移動もバスで3時間余りなため、ほとんど国内移動のような感覚だ。

 12時間におよぶ飛行時間を経て、まずオランダのアムステルダムに到着。宿泊地のベルギー・ブリュッセルまではバスで3時間余りで到着した。

 両国開催都市の様子や運営体制、競技中のスタッフらの対応など様々な部分を見ることが出来た。

 私たち視察団は優勝したフランス代表のホテルと練習場も見学することが出来た。

 まず強く感じたことは、ヨーロッパと日本のサッカーに対する一般市民の意識の違いだ。

 歴史の違いで語ればそれまでであるが、ヨーロッパは子どもからお年寄りまでもがサッカーに親しんでいる。国対抗の試合は国家の威信を賭け、国家的取り組みとして全国民が熱狂する。それは自然発生するものと認識された。

 それが、市民の盛り上がりをつくり、また、サッカー競技場と競技場周辺、さらに街の中で多くの観戦者やファンでごったがえしていた。しかし、このような状況でも、自然にサッカーファンとしての秩序が保たれている。(ただしフーリガンと呼ばれる一部の悪質ファンを除く)。

 今視察団では、ヨーロッパにおけるサッカーに対する国家と一般市民の意識の高さ、競技場と競技場周辺をはじめとする試合前後の市民の盛り上がり状況を肌で感じた。

 今回の視察団には「JAWOC横浜支部」の強い要請で参加したこともあり、横浜市やJAWOC横浜支部の民団に対する信頼感が大きく高まった。

 また、総勢21人の視察団の過半数を占めた横浜市からの参加者が2002年W杯の施設運営、関連イベント関係を担う実務者のトップでもあり、横浜市がかかえる様々なセクションでの課題と現状が認識され、人的な関係も広がった。

 陸続きのオランダとベルギー、海をこえる韓国と日本という違いこそあるが、共催に関する様々な分野で共通点は多く、学ぶべきことが多かった。

 多言語によるパンフや交通手段の案内はとても配慮されていた。また、競技場周辺には広場も多く、観戦できなかったファンたちが集う場となったほか、試合後この広場がファンたちの祭りの場にもなっており、さすがサッカー先進国だと痛感した。

 アジアで初めて開催される2002年W杯まで2年を切った。多くの部分で準備が進んではいるが、課題もまだまだ多い。

 一例をあげれば、世界各国のサッカーファンが訪れるが、物価の違いから生じる宿泊料金の問題だ。

 ホームステイやテント村なども設け、過去の大会との比較で「最悪」と言われないよう整備することが必要だ。

 そして、私たち在日韓国人も韓日の架け橋的存在として地域推進母体と連携し、韓日のクッション的役割を果たしていきたい。

盧慶均(民団神奈川県本部・国際部長)

(2000.07.12 民団新聞)



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