民団新聞 MINDAN
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支部活性化は戸別訪問から



 「団員への奉仕」をモットーに活動する民団は現在、各地方本部ごとに研修会を開いています。地域でよりよい在日同胞社会をつくっていくために、本部、支部の第一線で活動する組織幹部自らが学んでいるのです。

 また15、16日には東日本を、22、23日は西日本を対象にした全国支団長会議が開かれようとしています。直接団員と接する支部、分団、班こそが民団組織の要なのです。最も団員に近い支部にたずさわる支団長が一堂に集い、民団の方針を確認し、支部活動に生かしていくために意見と行動の統一を図るのです。


■「団員のための民団」再確認

 それだけではなく、他支部がどのような活動をしているのか、若手を糾合できている支部が持つ魅力は何なのか、など具体的な活動について学ぶ場でもあります。

 民団は言うまでもなく、構成員である団員への奉仕を行う生活者団体です。元々、徴用や強制連行で日本に連れられてきた同胞は、解放直後から肉親の待つ故郷へ帰国しようとしました。200万人以上と言われた渡日同胞は、解放後数年で60万人を残して帰国したのです。交通手段が整備されていなかった当時は、相当な混乱がありました。そのような同胞たちの世話に当たった人たちが今日の民団をつくったのです。

 旅券発行や本国戸籍整理など、個人では大変な様々な手続きの代行ばかりではありません。東に入居差別があれば抗議し、西に病気で入院した団員がいればお見舞いに駆けつけるのです。年末になれば、不遇なお年寄り宅を訪ねて、毛布や見舞金などを贈る歳末助け合い運動も続けるなど、同胞への奉仕を踏まえた活動は枚挙にいとまがありません。


■「顔と顔が見える」関係へ

 支部と団員をつなぐ絆は、団員と直接コミュニケーションを取ることに他なりません。団員宅を定期的に訪問し、支部の活動家と団員が「顔と顔が見える」関係をつくることではないでしょうか。愛知のある中堅支部では全役員が年に一度、全団員の家庭を巡回しています。この活動で団費の納入者は倍以上に増えたと言います。支団長は「支部が動かなければ団員も動いてくれません」と言います。全くその通りです。

 また、団員サービスを第一に掲げ、多くの団員に親しんでもらおうと、これまでになかった活動を行おうとしている支部も増えています。大阪では本国からキムチや韓国食材を仕入れ、団員に販売する生活協同組合をつくっています。また、愛知や兵庫の支部では、新生児に祝い金を贈ったり、1歳の誕生日には韓服をプレゼントするなどして喜ばれています。これらの支部でも、二世、三世の親たちに、まずは民団に足を運んでもらいたいという思いからサービスを始めたと言います。

 全国には、団員数千人という巨大支部や逆に数十世帯という小さな支部があります。また地域の特殊性を持つ支部もあるでしょう。全てを同列に当てはめるわけにはいきませんが、財政不足、後継者不在を言う前に、活性化している支部の活動をお手本にして欲しいと願います。

 今度の全国支団長会議や組織研修を通じて、より多くの支部が団員への奉仕という理念を再確認するとともに、活性化のために何をすべきかを学び取ってもらいたいと思います。

 支部が活性化してこそ民団全体が活動的になるのです。豊かで明るい21世紀の在日同胞社会をつくるためにも。

(2000.07.12 民団新聞)



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