民団新聞 MINDAN
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全国支部と中央本部が意見交換

「団員のための組織」を再確認
支部同士の姉妹結縁で交流拡大を



支部運営などについて
中央本部と意見交換する支団長

 全国支団長会議(東日本地区)の第2日目の16日は東京・品川のホテルに会場を移し、民団中央本部の金宰淑団長はじめ具文浩副団長、黄迎満事務総長、各局長らを交えて支部と中央本部の対話集会が開かれた。中央本部とのやりとりが少ないとあって、中央本部の基本的な見解を聞くチャンスと、様々な質問や報告が相次いだ。

 支部との対話では(1)朝鮮総連との交流・和合(2)幹部、後継者不足(3)団員サービス(4)財政問題―の四項目に分けて各支部の活動や要望が述べられた。


◆総連との交流・和合

 神奈川・川崎支部のソウ在龍支団長(63)は、韓商と朝鮮商工会が六年ほど前からゴルフなどの交流を続けており、総会時には双方の会長が相互に出席している状況や八月には千人規模の合同マダンを計画していると報告した。東京・渋谷支部の鄭時東支団長(57)も、渋谷区長の仲介で両組織の長が握手し、囲碁でも交流を続けていると紹介した。

 一方、地方参政権で意見が食い違っている状況が交流するに当たってのネックにならないかという質問も出された。これに対して中央本部は、五日に衆議院に再提出された法案が朝鮮総連同胞にも付与する内容であり、南北首脳会談以後に参政権に反対する意見書を取り下げている事実をあげながら「決定的な障害要因にはならない。まず信頼関係を作るためにもできることから交流と和合を」と支部の奮起を促した。金中央団長も「昔は本音と建て前があったかも知れないが、今は本音で和合と交流を進めよう」と強調した。


◆後継者不足

 北海道・北見支部の李圭亮支団長(37)から「民団とは何なのか」「将来のビジョン」をわかりやすく示し、「若手が入りやすい民団に」と敷居を低くする工夫が必要との意見が出され、若手支団長の共感を呼んだ。

 「みなさん、自分の子どもたちを民団に連れて行ったことがありますか。まずここから始めましょう」と新潟・下越支部の孫勝胎支団長(55)の手厳しい発言に会場からは「その通り」の声援も。

 若手を育てるためにも青年会や青年商工会を支援して後継者を擁しようという意見が大半を占めた。

 中央本部からも、土曜学校、母国春・夏季学校などを活用し、幼少から民団や民族を考える契機と場所を多く作ってほしいと支部に要望した。


◆団員サービス

 川崎支部は、川崎市が入居差別是正のために設けた住宅条例を団員に広報していく必要性を述べた。一方、福井・武生支部の鄭大鳳支団長は、高齢者福祉金の要望や地方参政権付与の意見書がスムーズに聞き入れられた状況を説明しながら「本部まかせにせず、月に一回は市議会などに足を運ぶべき」と日常的なつながりを作る効果を訴えた。

 団員サービスについて(1)民団支部の独自的なサービス(2)自治体から受けられるサービス―があり、民団中央は、自治体から受けられるサービスについて、団員が不利益をこうむらないように積極的に引き出してほしいと求めた。

 また独自サービスについても積極的に開発してほしいと訴えた。


◆財政問題

 財政問題はほとんどの支部が頭を抱える問題。事業を営む団員の理解を得て「法人団員」制度を取り入れて成功している支部や、不足している運営費用を保険事業で補っている状況などが報告された。

 団費以外に保険や事業収入で運営している埼玉・西部支部の呉雙巌支団長は「各家庭を全て回っている。役員になった以上、やらなくちゃ」と強調した。また「国民登録を5年ごとに更新すれば団員把握にもつながる」などの意見も。

 中央本部では、「団員に何をしてあげるための財政かを考えてほしい。幹部が率先して戸別訪問し、団費を機軸に事業収入で財政を考えてほしい」と基本的な考え方を表明した。

 総括として、支部同士が横の連携を深め、姉妹結縁して交流の輪を広げていく方向性を新たに示した。

(2000.7.19 民団新聞)



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