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衆院に提出の地方選挙権付与法案

民団中央、早期成立求め各党訪問



自民党本部を訪れ、
野中幹事長(右)に早期法案成立を
求める金宰淑団長ら

 民団中央本部の金宰淑団長らは18日から21日にかけて、自民、公明、保守の与党3党をはじめ民主、自由の各政党を訪問し、このほど公明・保守と民主党がそれぞれ衆議院に提出した「定住外国人への地方選挙権付与法案」が1日も早く成立されるよう要望した。昨年提出された法案は衆議院解散によって廃案になったが、各政党とも好反応を見せており、秋の臨時国会が大きな正念場となりそうだ。


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各党幹部、好反応示す

 与野党の党首、幹部を訪問した金団長らは、7月5日に公明、保守の与党2党が衆議院に提出した選挙権法案について、秋の臨時国会での成立を強く求めた。

 法案を提出した公明党は成立に異論はなく、神崎武法代表、法案提出者の冬柴鐵三幹事長ともに、秋の臨時国会冒頭から審議を進める方針を明らかにした。この間、選挙権付与法案を積極的に推進してきた公明党は、審議を進めて採択に持ち込みたい考えだ。

 一方、保守党の扇千景党首(建設大臣)、野田毅幹事長ら幹部も全党的に支援していく方針を明らかにした。

 この問題について一部議員との調整がはかれていない自民党も、野中広務幹事長は、党議拘束をはずして採決する可能性もあることを示唆した。また亀井政調会長も「いつまでも放置できない。もう少しだけ時間を」と早期の決断に向けて党内調整を図る意向を見せている。

 永住外国人の地方選挙権について自民党は、昨年10月に当時の自由党、公明党の3党連立政権合意の際に「改めて3党において議員提案し、成立させる」ことで合意。また今年4月の自公保3党連立発足、第二次森内閣の成立時にも3党合意の継承が確認されているだけに、成立に向けた調整が図られると見られている。

 28日から8月9日まで開かれる臨時国会では、代表質問と施政方針だけが行われるために法案の審議はない。本格的な法案審議は秋に開かれる臨時国会で行われることになる。

 いずれにしても、自民を除く各党は法案成立に向けて何ら異論はなく、自民党の党内調整がいかに図られるかにかかっている。


公明党の神崎代表にも
「地方選挙権付与法案」の
早期成立を訴えた

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自民、自主投票の可能性も

■□自民党

党内調整で決断の時期に

 民団代表は自民党も訪問、18日に亀井静香政調会長、19日には野中広務幹事長、小里貞利総務会長らと面談し、法案の早期成立を強く求めた。

 亀井政調会長は「いつまでも放置できない」と従来からの付与肯定の私見を述べながら、「自民党では賛否両論があり、中途半端にできない。もう少しだけ時間をいただきたい」と党が決断する時期に来ていることを示唆した。

 野中幹事長との会談では、自民党内の最終結論がまとまっていない状況を上げながらも、「党議拘束をはずし、自主投票の可能性もある」ことを示唆した。


■□公明党

秋の臨時国会で採決持ち込む

 19日に公明党本部で行われた金中央団長ら民団側と神崎代表、冬柴鐵三幹事長、浜四津敏子議員との会談で神崎代表は「何としても成立を。審議を進めて採決に持ち込みたい」と述べた。また冬柴幹事長も、すでに3党で合意している事実を上げながら、「秋の臨時国会冒頭から審議入りできるように力を入れている」と強調した。


■□保守党

全党体制で取組、今世紀中解決へ

 金団長をはじめ、辛容祥地方参政権推進委員長、具文浩副団長、徐元テツ国際局長らは19日、建設省を訪れて扇千景保守党党首(建設大臣)に面談した。

 扇党首は、「道筋を付けてすすめる。希望を持ってもらいたい」と今世紀中の解決を示唆した

。  18日午前には議員会館会議室で保守党幹部と面談。野田毅幹事長、海部俊樹議員、小池ゆり子議員らと懇談した。

 席上、金団長は「法案の提出を心から感謝したい」と述べた上で、「次期国会で成立するよう最大の協力を」と強く要請した。

 野田幹事長は「今度こそ法案を成立させたい。そのためにも全党あげて取り組んでいく」と答えた。


■□民主党

独自に法案提出、成立への拍車に

 一行は続いて与党2党とは別に同様の内容で法案提出している民主党本部を訪問。鳩山由起夫代表、中野寛成副代表らと面談し、早期成立を求めた。鳩山代表は「必ず成立させたい」と全面支援を約束した。


■□自由党

トップ間の約束、必ず実現させる

 一行は自由党本部にも訪問。小沢一郎党首は「(金大中大統領と故小渕恵三総理による)両国トップ間の約束でもあり、3党による合意なのだから、これは守るべきだ。全党あげて自民党に強く要請していく」と述べた。

(2000.07.26 民団新聞)



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