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多文化・多民族の新宿を知ろう

環境考える住民らがユニークな探検企画



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8/13から開始、外国籍住民と交流

 多文化・多民族の街、新宿を知ろう…。70以上の様々な企画を通じて新宿、歌舞伎町、大久保という街を知ろうとするユニークな企画「多文化探検・多文化共生防災実験」が13日からスタートする。仕掛け人は在日同胞2世の人材育成コンサルタント、辛淑玉さんと新宿の環境を考える日本人有志たち。飲んで、食べて、学んで…。多文化の街でどのように日本住民と外国人が手を取り合っていけるのかを実験する。

 多文化探検企画は2つのステージに分かれる。一つは外国籍住民との共生ノウハウを共有化する企画だ。期間中、マイノリティとの触れ合いや料理を楽しむ企画など70以上のイベントが催される。日系ペルー人やニカラグア人、在日同胞など新宿に居住する様々な外国人が登場し、外国人の目から見た日本をともに語り合う。

 焼肉を食べながら、ハルモニの70年の歴史を聞くイベントや韓国の屋台や銭湯を巡る「あやしい深夜ツアー」など気軽に参加できる企画が多い。新宿から飛び出して川崎のコリアタウンをめぐる桜本や戸手を訪れるツアーも盛り込まれた。

 外国人に欠かせない問題ながら日本人が知らない在留資格の問題や参政権の問題を探るちょっと固い企画もある。そのほか「アイヌ料理でウコチャランケ」「震災とゴミ」「ぴかぴかエステツアー」「地上げ屋に勝つ方法」「韓国の不動産屋さん」などが並ぶ。一見、雑多な企画のようだが、外国人や少数者が抱えてきた問題や、日本の住民に語りかけたいという思いが込められている。


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阪神大震災の教訓もとに
他言語防災実験も

 オープニングは「多言語『花』コンサート」。喜納昌吉さんの名曲「花」を多言語で歌うコンサートだ。

 企画の二番目は、東京で多言語の防災体制を整備するための初の実験。関東大震災の翌9月2日、東京都の防災訓練に合わせて新宿の常圓寺で行われる。

 阪神大震災の時、日本語が不自由な外国籍住民が、避難所や医療施設が分からず、長く取り残された教訓を踏まえて実施する。阪神大震災時には、支給された食事が宗教上の問題で食べられなかったり、思想信条とは別に火葬にされたりと外国籍住民との間で多くの問題が残されてきた。

 「神戸以上に多文化の街、東京に大地震が起きたら」を想定して、意思疎通ができなかったために助かるはずの命が失われる悲劇が起きないようにという願いが込められている。

 多言語救命、避難所体験、災害時の多言語放送、共通ジェスチャー作り、日本家屋と災害についての多言語レクチャーなどが盛り込まれる。多文化・多言語の防災実験を実施し、ノウハウを積み重ねることによって安全な住みやすい街を作りたいという。

 歌舞伎町商店街振興組合が協賛し、新宿区、新宿区職労などが後援に当たる。

 イベントに参加するには1000円の「多文化たんけんパスポート」を購入すれば、期間中五つのイベントに無料参加(会場での飲食費は別途必要)できる。また参加したい企画があれば予約が必要。

 パスポートは新宿区役所地下一階の区職労(03-3209-1111・内線7731〜3)歌舞伎町商店街振興組合(03-3209-9293)などで購入できる。

(2000.08.02 民団新聞)



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