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戦後50年の同胞社会の映像

映画「在日」がビデオに



ビデオになった映画「在日」。
上下2巻セットで
2万円で一般販売が始まった

 在日同胞の歩んできた戦後50年の歴史を振り返ることで日本社会の有り方を鋭く突いた記録映画「戦後在日50年史『在日』」(同製作委員会、1997年度・呉徳洙監督)が、2巻組セットでビデオ化(VHS)された。

 前編「歴史編」(カラー135分)は、歴史のはざまでほんろうされ続けてきた在日同胞の50年を在日同胞の視点で年代順に時系列で追う。ここでは、GHQ元担当官へのインタビューを通して戦後在日同胞の処遇に関わる重要な証言を引き出している。また、日本の敗戦によって解放された在日同胞の姿や、占領下で起きた阪神教育闘争弾圧の場面などを当時の写真やフィルムで知ることができる。

 これらは呉監督がアメリカ公文書館の所蔵する膨大なライブラリーから掘り起こした。

 後編「人物編」(カラー123分)では解放前から日本で生きる在日同胞の歴史と存在を重層的に描いた。登場人物は一世から三世までそれぞれが個性的な6人。

 在日同胞は自らの生き方を登場人物に重ね合わせながら、これから在日をどう生きるかを考える道しるべとすることができる。日本の公教育の現場で在日同胞問題に関わる教員には、社会科のサブテキストとして、自治労傘下の労働組合でも学習教材として活用してほしいと、製作委員会では期待をかけている。

 呉監督は「この映画を手がけるなか、日本の戦後史の中で光と信じられてきた部分が実は影だったということがよく分かった。在日の歴史を知ることで日本のありのままの歴史が透けて見えてくるとも言える。この映画は在日同胞と日本人が歴史認識を一致させるため在日同胞はもちろん、より多くの日本人に見てもらいたい」と話している。

 定価は2巻組セット(解説書付き)で二万円。同製作委員会の連絡先は東京都渋谷区幡ケ谷1-12-11幡ケ谷コーポラス101号。電話・FAXとも03(3485)2935。なお、民団中央本部宣伝局(電話03・3454・4612)でも注文を受け付けている。

(2000.08.23 民団新聞)



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