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今度こそ南北軍事対話推進を



 韓半島の平和定着のために、軍事的信頼構築と緊張緩和問題を協議する初の南北国防長官級会談が、早ければ今月末にも開かれる見とおしです。

 金大中大統領は、国連ミレニアム(千年紀)サミットに参加中の7日、米国の韓半島問題専門家らと懇談した席で「今月末に南北国防長官級会談が開かれれば、軍事直通電話(ホットライン)の設置、軍隊移動・軍事訓練規模の事前通報、訓練参観が協議される」と明らかにしました。同時に「こうした措置が初期段階で実践されれば、南北間に信頼が構築されるだろう」と強調しました。


■長官級会談の合意に基づき

 南北間の軍事対話は、さきに平壌で開かれた第2回南北長官(閣僚)級会談での「双方の軍事当局者が早期に会談を行うよう協議する」との合意に基づくものです。韓国政府は、5日に発表した第2回長官級会談の合意事項推進計画で「南北軍事当局者会談の今月中開催」を表明。同時に朴在圭統一部長官(南北長官級会談首席代表)は、軍事休戦線で断絶している京義線の連結とブン山〜開城間道路開設問題を協議するための実務接触を7日に板門店で持つことを全今振・北韓側会談団長に提案しました。

 京義線連結およびミン山〜開城間道路開設問題協議のための南北実務接触では、当然、非武装地帯(DMZ)内の地雷除去を論議するための軍事当局者接触もなされるでしょう。韓国側は、工事現場が軍事境界線一円なので南北兵力間の相互識別問題をはじめ、地雷や不発弾爆発など有事時に備えて、工事担当軍部隊間の南北直通電話の設置を、北側に提案することにしている、と伝えられています。

 国連ミレニアムサミット初日(6日)の演説で金大統領は「南北首脳会談(6月)で、いかなることがあっても戦争が再び起きないよう努力することを確認した」と強調、「今後、恒久的な平和定着と交流協力の増大にすべての力を傾注する」と決意をあらためて表明しました。


■平和定着のために積極的に

 南北間の真の平和定着と交流増大のためには、相互信頼関係構築の基本となる軍事的な緊張緩和問題の解決が不可欠です。南北合わせて160万もの大軍が、東西240qの休戦線をはさんで依然対峙しています。軍事問題の解決は、南北緊張緩和の核心であり、この問題の解決なくしては南北関係の実質的・本格的な進展は期待できません。

 韓国戦争(50年6月〜53年7月)の休戦状態が47年も続いているのは、きわめて異常です。この問題を解決するために双方は、91年に調印した「南北基本合意書」で、休戦協定を順守し、その上で休戦を確固とした平和体制に変えることをうたっています。

 しかも同合意書には、南北軍事分科委員会の構成のみならず軍事直通電話と軍事共同委員会の設置が明記されています。翌92年2月の同合意書発効に伴い政治、軍事、交流・協力の3分科委員会が発足し、重要な問題での意見調整は新たに発足する和解、軍事、経済、交流・協力の四つの共同委員会に委ねられました。しかし、その後の南北対話の中断により各種共同委員会は構成されず、今日に至りました。

 南北国防長官級会談が早期に開かれ、今度こそ軍事共同委員会を速やかに構成、韓半島の軍事的緊張緩和と平和定着に向けて、実りある軍事対話・交流を積極的に推進するよう望んでやみません。

(2000.09.13 民団新聞)



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