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歴史に残る?「マンセー」



 北韓の金正日国防委員長の「ソウル答礼訪問」が何時になるか関心を集めていたが、「来年春」には行われるという。金大統領は「来年春になったのは、私のスケジュールが忙しく『来年春がいい』と提案したからだ」と説明している(20日の日本人記者団との懇談)。

 去る6月の金大統領の平壌訪問に際しては、60万もの群衆が歓迎に動員され、空港から平壌の沿道を埋めた。金国防委員長のソウル訪問時にはどれだけの市民が街頭に出て迎えるだろうか。南北関係がどこまで改善されるかによって違ってくるだろう。

 ところで、金大統領の平壌入り時に「金正日、マンセー」と並んで「金大中、マンセー」の声は、本当に「あった」のか。日本で韓国のテレビによる生中継を見た限りでは「金正日、マンセー」の大歓声しか聞こえなかった。

 だが、日本の主要6紙中、Y・M・Tの3紙は「なかった」ものとしているのに、A・S・Nの3紙は「あった」と当時報道した(六紙ともソウル特派員)。このうちS紙は、翌々日のコラムで「金大中、マンセーは聞かれなかった」としている。この件について、S紙の特派員もコラムの筆者も、事実上の訂正ではないとの見解を表明している。

 「あった」報道、「なかった」報道のいずれの側も「平壌での『金大中、マンセー』の有無は重要なことなので、何度も特派員らに確認した。自社の報道に間違いない」と強調して譲らない。

 金大統領の平壌訪問は歴史的・画期的なことであった。それだけに「有無」について、各紙による再検証があっても良さそうなものだが、これまでのところ、どこも行っていない。「来春」の「金国防委員長のソウル訪問」まで、待たねばならぬのだろうか。(Y)

(2000.09.27 民団新聞)



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