民団新聞 MINDAN
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東海豪雨・同胞の被害、予想以上

家屋、壊滅的な状態



まるで池のようになった
新川町地区(9月13日)

■□
民団のボランティア隊
被災同胞を勇気づける

 9月11日に愛知県を中心に東海地方を襲った豪雨で、同胞への被害は予想以上に広がっている。

 9月22日現在の被災状況によると死者9人、床上・床下浸水7万戸で、このうち愛知県下の在日同胞は床上浸水188戸、床下浸水33戸の合わせて221世帯で被害を受けている。

 特に、1日の降雨量が600oを超え、年間降雨量の3分の1が集中的に降った名古屋市をはじめ、西春日井郡、春日井市、美浜町、東浦町など、愛知県各地で被害が出ている。

 中でも同胞が多く住む新川町堀江地区は新川堤防沿いの数件の家屋を除いて、ほとんどの家屋が床上浸水し、壊滅的な被害となっている。西枇杷島町、中小田井、天白なども同じ状況だ。

 衣類、家具、電化製品、車輌はもちろん、木造家屋は床や壁がごっそり抜け落ち柱と屋根だけの状態となっている。

 一般住宅のほか、事業所も壊滅状態だ。工場の機械、パチンコ店のコンピュータ機器は破棄処分となり、車輌も半数以上は廃車となっている。すでに廃業に追い込まれた同胞もいる。

道路に山積みされた
ままになっている
家具などゴミの山

 現在、水は一旦引いているが、被災地区の道路には山積みされたゴミの山から異臭が発生し、消毒薬による臭いが被災者の喉を痛めており、生活できる状態ではない。

 「明日からどうやって生活すればいいのか。とにかく助けてほしい」と被災同胞が訴えている。

 民団愛知県本部(権泰洙団長)では、「9・11東海豪雨・民団愛知災害対策委員会」(沈在駿委員長)を中心に、県下14支部とスクラムを組んで被災者の救援活動とともに、同胞の被害状況調査を展開しているが、被害総額は同胞の一般家屋だけでも10億円以上に上っている。

 集中豪雨で被害発生とともに設置した「対策委」では、各支部とともに団員宅への連絡や安全確認など、状況把握を急ぐ半面、災害復旧支援ボランティアの派遣依頼にも対応した。

 本部と新西支部の民団職員、青年会員を中心にボランティア隊を構成、とくに一人暮らしの高齢者宅を中心に戸別訪問し、被害地域の後かたづけを行った。

 また、婦人会のオモニたちは炊き出しや清掃を担当し、被災同胞らの救援を展開した。

車両もほとんどが冠水し、
廃車状態となっている

 とくに、被害の大きかった新川堤防に近い堀江地区の被災者の一人、韓基徳さんは3日間、床上浸水のため二階で避難生活した。

 ボートで避難していく近所の被災者とともに呆然としていたところ、民団のボランティア隊が駆けつけてくれ、支援と激励してくれたことで「復興させるぞ」というやる気を起こしたという。

 民団ボランティア隊の到着は他の被災住民も勇気づけ、翌日以降、大型ボランティア投入の引き金にもなった。


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東海集中豪雨・被災同胞への義援金送金口座

愛知商銀本店(普)133164
愛知集中豪雨見舞金・権泰洙

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民団のボランティア隊は連日、
お年寄りの家を中心に
支援活動に駆けつけた

(2000.09.27 民団新聞)



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