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外国人地方選挙権法案成立を

青年会が「倫選特」に要望書



永住外国人への地方参政権付与を
求めたシンポジウム

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「今国会成立を」…40人の委員全員に提出

 開会中の臨時国会で永住外国人への地方選挙権法案の成立を求めようと在日韓国青年会(金昌敏・中央本部会長)は10日、法案が審議される衆議院政治倫理・公職選挙法改正特別委の自見庄三郎委員長はじめ自民党の委員19人はじめ40人の委員全員に対して要望書を伝達した。また、9日には文京区のシビックホールで「緊急!シンポジウム」を開き、臨時国会での成立を目指して運動を展開することを確認した。

 青年会の金会長はじめ各区地方の会長らは、国会議員会館に自見委員長を訪ね、在日韓国人をはじめとする定住外国人は地域住民であることを訴えながら、法案が臨時国会で成立するよう、強く求める要望書を、事務所を通じて渡した。

 また19人の自民党委員はじめ40人の委員全員に対しては、各議員事務所を訪問し、要望書を伝えた。

 永住外国人への地方選挙権付与法案は、今年1月に公明・自由両党から提出されていたが、衆院の解散総選挙で廃案となっていた。7月5日に特別国会で公明・保守両党が再度法案を提出、成立させるというこれまでの与党3党の合意から見て、会期中の臨時国会で審議される予定だった。

 しかし、直前になって特別永住者に限定する意見や自民党有志で構成される「外国人参政権の慎重な取り扱いを要求する国会議員の会」などからの反対論が出された。これらの動きに対して青年会は、すでに長年論議されてきた問題で、最高裁判所の「違憲ではない」という判断と地方自治は地域住民にかかわる問題であるとの認識から、要望活動を実施した。


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緊急シンポも開催

 文京区のシビックホールで開かれた青年会の緊急シンポジウム・パネルディスカッションには青年会員はじめ婦人会、日本人市民ら60余人が駆けつけ、臨時国会での地方選挙権付与法案成立を求めた。

 講演に立った田中宏・龍谷大学教授は、「憲法違反」とする反対派の意見に対して「日本で唯一違憲審査権を持つ最高裁判所が、永住外国人に対して地方選挙権を付与することは違憲でないと明確に判決を下した」と参政権が憲法問題ではないことを強調した。その上で、国民と外国人という二分思考ではなく、国政と地方自治を区別して参政権を考えなければならないとした。

 青年会や市民団体を招いて行われたパネルディスカッションでも、生活に関わる福祉、環境、教育などは地域住民の問題で、「地域住民、生活者の権利として認めてほしい」という声が相次いだ。パネリストの日本人学生は「反対者の意見には外国人差別がある。一つの差別が認められるなら、全ての差別に合理性が出る。そのような社会に住みたくない」と訴えた。

(2000.10.11 民団新聞)



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