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京都韓学・寄宿舎の工事始まる

生徒倍増の願い託し起工式



京都韓学敷地内での地鎮祭

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来年3月竣工へ

 【京都】学校の生き残りをかけて昨年から3カ年計画で生徒数の倍増を目指している京都韓国学園(王清一理事長、李虎雄校長)で、念願の寄宿舎建設工事が着工した。来年3月に完成すれば民族学校では初の寄宿舎となり、他府県からの入学にも弾みがつくものと期待されている。同校は来年度以降、当面200人の生徒を確保し、1条校認定も目指している

 京都韓学は1時、恒常的な生徒数減少に悩まされていたが、昨年春に同校硬式野球部が日本高校野球連盟(高野連)に加盟が認められたことで生徒数増へ弾みがついた。勉学の面でも新設したばかりの「特別進学コース」と「コンピューターコース」が軌道に乗りつつあり、生徒数は今春、109人と持ち直している。

 いまや生徒数減少に完全に歯止めがかかったとみられており、来年度以降も全国から入学希望者が相次ぐと見込まれている。このため同校理事会では受け皿が必要と、今春から寄宿舎の建設に奔走してきた。

 建設の始まった寄宿舎は総工費6000万円。鉄骨三階建てで延べ床面積は172坪。52人を収容することができる。来年3月の完成予定。現在、同建設委員会(委員長、李隆男・金安一)が中心となって1500万円を寄金で確保している。

 10月28日、同校敷地内の建設予定地で行われた地鎮祭には王清一理事長をはじめとする学校関係者、民団京都府本部からも沈基洙議長ら多数が出席した。王理事長は「寄宿舎の建設で全国から生徒が集まるだろう。あらゆる意味で学校飛躍の土台としていきたい」と意気込みを語った。同じく李校長も「生徒数増イコール学校の発展につながる。これからも魅力ある学校づくりに取り組む。当面、生徒数を200人と倍増させたい」と述べた。

 民族学校ではかつて白頭学院が寄宿舎を所持していたことがあるが、現在は消滅している。完成すれば京都韓学が唯一の寄宿舎所持校となる。この日、婦人会京都府本部(李愛子会長)が建設寄金として100万円を王理事長に伝達した。

 寄金の振込先は信用組合「京都商銀」南支店、普通口座341319。郵便振替は口座番号00960-1-12401「京都韓国学園寄宿舎建設委員会」。


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安定した財政確保へ一条校認定めざす

 京都韓学は慢性的な財政難の解消を図るため、1条校認定を目指している。京都府庁総務部文教課にはすでに事前調書を提出済み。寄宿舎完成を待って本格的に動き出すことにしている。

 1条校設置運営には最低160人から480人の生徒数を確保することが求められている。同理事会では寄宿舎の建設をテコに当面200人、いずれは300人まで生徒を増やし、基準をクリアしていきたい考えだ。

 このほかにもグラウンドの広さなど越えなければならないハードルはいくつかあるが、金幹夫同常任理事は、京都韓学の開校50年に及ぶ歴史と実績をたてに「クリアは不可能ではない」とみている。

 1条校として認められれば、日本政府から生徒数に応じた私学助成金を受けられる。金安一建設委員長は「生徒数が120人だとしても2000万円〜3000万円は出るのでは」と期待をかけている。

(2000.11.01 民団新聞)



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