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大阪府立高の韓国語授業支援

府教育委、韓国から指導助手招請



任先生とともに生徒指導にあたる金智賢さん(左)

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JETプログラム利用
鳥取に続き2人目

 日本のJETプログラムに基づき韓国から派遣されたのは金智賢さん(25)=釜慶大学日本語日本文学科卒業=。大阪府教育委員会の仲介で今年4月から府立阪南高校(南雅弘校長、生徒数992人)に配置された。同校は二、3年生の語学で韓国語、中国語などを選択できる国際文化コースを設けており、指導助手を求めていた。

 府教委では府立学校から配置要望の強い英語の指導助手を全校に配置することを当面の課題としてきたものの、民団大阪府本部の要望を受けて昨年11月、自治省に対する外国語指導助手30人の増員要請の際、韓国語の指導助手を一人加えた。府立高校で韓国・朝鮮語授業を開設している学校は26校あり、今後も増えると見込まれることにも配慮した模様だ。

 同校国際文化コースの韓国語授業は2年生11人が週4時間、3年生12人が週2時間のカリキュラム。金さんは同校に勤務する在日同胞二世の任喜久子さんと教壇に立ち、主に発音の指導をしている。また、府立長吉高校でも週7時間、韓国語の指導助手として二、3年生を教えている。生徒たちの評判も上々で、阪南高校では「韓国語も楽しいけれど先生が大好きだから」という生徒も見られた。

 阪南高校の林一雄教頭は「和やかな雰囲気のなか、息がぴったりです。やはり語学授業は2人の先生が必要です」と喜んでいる。また、大阪府教育委員会教育振興室教務課教務グループの福永光伸指導主事は「こうした息の合う授業をできるのは、任先生と金指導助手の事前の打ち合わせが密に行われているからでしょう。実はここがポイントなんです。」と話している。

 民団大阪府本部でも引き続き韓国語の指導助手の増員を府教委に働きかけていきたい考えだ。金指導助手は阪南高校で正規の授業以外に「朝鮮文化研究部」の活動にも携わり、言葉の学習を行ったり、韓国の遊びを紹介している。また、「2000年日韓高校生交流訪日研修」で9月、韓国から高校生が阪南高校を訪問した際にも生徒らとともに交流を深めた。金指導助手の任期は1年。最高2回まで更新できる。阪南高校側としてはできるだけ長く日本で勤務してほしいとの意向だ。


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JETプログラム
(語学指導などを行う外国青年招致授業)

 日本での外国語教育の充実と青年交流の進展を図ることを目的として、参加諸国政府の協力のもと1987年度からスタートした制度。韓国からの韓国語指導助手は一般的にAKTと呼ばれている。日本の外務省、文部省及び財団法人自治体国際化協会が、受け入れ先の地方公共団体と連携して実施している。

 職種は外国語指導助手、国際交流員、スポーツ交流員があり、駐在日本大使館が当該国で募集している。7月1日現在、国際交流員として米国、中国、英国、韓国などから574人、外国語指導助手として主に欧米諸国から5467人が日本に来ている。

(2000.11.08 民団新聞)



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