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「二・八独立宣言」83周年

交流を通じ同胞社会の統一を



 思い起こせば、82年前の1919年2月8日、東京にある「朝鮮基督教青年会館」に、日本官憲の厳重な警戒にもかかわらず、それを破って600余人の韓国人留学生たちが集まり、わが民族の独立を高らかに全世界に宣布したのが「二・八独立宣言」でした。

 当時の韓国は、日本帝国主義によって植民地支配下に置かれていました。武力による弾圧はもとより経済的な搾取、文化や言葉さえも抹殺しようとする日帝の支配下で、わが民族はくびきの苦しみの中にあったのです。


■韓半島冷戦構造の早期克服へ

 しかし、不当な植民地支配、民衆への弾圧を目の当たりにして、当時の青年志士たちは、自らの危険を顧みることなく、民族の自尊心と自主独立のための血の叫びとして「二・八独立宣言」を発表したのです。この留学生たちの崇高な精神は、82年という年月を経た今も、何ら光を失ってはいません。

 この宣言は、玄海灘を越えて、圧政下にあった二千万同胞の胸に染みこんだ怨恨に火をつけ、民族独立運動の金字塔とも言える「三・一運動」という挙族的な運動を呼び起こしたのです。

 それだけではなく、当時の被圧迫民族にも影響を与え、中国の「五・四運動」をはじめ、インドの独立運動にまで大きな影響を与えました。支配と被支配という行為が何ら正当性を持たない以上、被圧迫民族が自由と正義を求めて立ち上がるのは当然の帰結といえるでしょう。

 去る20世紀、日帝の植民地に転落した悲劇を私たちは克服し、たとえ分断国家であったとしても、民族の自主性を取り戻しました。ですが、「二・八宣言」が唱えた「東洋の真の平和」と「正義と自由を基礎とした民主主義国家」として、完全なる発展を築いたとは、いまだいえません。

 21世紀の一歩を踏み出した現在、20世紀に具現できなかった「二・八精神」を実践に移すためにも、まずはまだ完全に払拭されていない韓半島の冷戦構造を1日でも早く克服し、東アジアの平和を築かなければなりません。


■在日同胞社会の統一に尽力を

 また南北が交流を促進し、正義と自由を基盤とした本当の民主的な統一国家を築かなければいけません。それこそが「二・八独立宣言」の精神を今日に継承し、具現しなければならない現実的課題といえるでしょう。

 在日同胞社会は、先烈たちが残してくれた民族の自尊、自主精神を基本とする「二・八精神」を教訓として、今日まで発展してきました。これからもそれは変わりません。

 そのためにも、日本という異国でこれ以上、わが民族の分裂と対立を継続することはできません。半世紀以上にわたる在日同胞社会の厳しい対立を乗り越え、和合と交流を通じた同胞社会の統一のための努力を、より一層継続していかなければいけません。

 それだけではなく、本当の意味での民族自尊のために、われわれは日本人と日本社会で自負心を持って「共生共栄」することができる地方参政権獲得に全力を傾けなければなりません。

 私たちは20世紀の民族独立のための「二・八精神」を、21世紀に民族の繁栄と在日同胞社会の飛躍的発展のための精神的支柱とすることを誓わずにはいられません。

(2001.02.07 民団新聞)



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