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母国で学び、歩き、考える

在日大学生の母国春季学校募集



■貴重な体験、本国の学生との交流も

 在日同胞の大学(院)生および短大生を対象に、毎年春休みを利用してソウルで開かれている「母国春季学校」が、今年は3月5日から14日まで10日間実施される。普段知り合うことの少ない各地の同胞学生が、出会い、「母国の素顔」に触れながら共に学び、歩き、考える貴重な機会として人気の高い同学校の参加者の定員は100人。現在、各地民団で参加者を募集中(締め切り今月15日)だ。


■1979年からスタート、1万人参加

 母国春季学校は、日本各地に分散して居住しており、祖国を訪れる機会のなかった同胞子弟に本国を直接体験してもらい、民族的素養を少しでも身につけてほしいと、当初は夏休みを利用して「夏季学校」の名称で66年から開始された。高校生と大学生が対象であった。

 79年から、対象者の年齢に応じた企画内容と大学生の立場を考慮して、高校生は夏休みを利用し「夏季学校」、大学生は春休みに「春季学校」として分離開催されるようになった。

 在日同胞子弟の90%以上が日本の公教育の場に学んでいることから、子弟の民族的自覚を育む効果的な場として、父母の大きな期待を集めた。また、日頃同世代の同胞と接する機会の少ない学生同士の親睦と友情を育てる大切な場ともなってきた。これまで1万人を超える在日同胞の学生が参加している。


■「修学旅行」は2泊3日で慶州へ

 韓国政府教育部の主催で、教育部傘下の国際教育振興院が主管して実施。今年の場合、一般教科(韓国語、会話、特別講議、グループ・パネル討議、発表会など)、現場学習(高麗大学訪問、軍事境界線見学、ソウル市内オリエンテーリング、独立記念館訪問、韓国料理教室、慶州古墳踏査を含む2泊3日の修学旅行など)、特別活動(儀式行事、自治会活動、親交時間など)に分けて行われる。

 特に、これまで春季学校に参加した学生会のメンバーを中心に学生たちの要望を反映し本国学生との交流、韓日両国文化についてのディスカッションを計画。パネル討議では、「名前とアイデンティティー」「国籍とアイデンティティー」について語り合う。特別講義は、金容雲・漢陽大学名誉教授が「在日学生への期待」、鄭早苗・大谷大学教授が「なぜ在日韓国人として考え、行動するのか」をテーマに行う。


■参加費の一部、民団が援助

 参加費用は、出発空港によって異なるが、民団が学生一人につき5万円を支援しているため、札幌の8万9000円から福岡の5万845円までとなっている。

 問い合わせは、各民団地方本部および支部、または民団中央本部文教局(電話03-3454-4615)へ。

(2001.02.07 民団新聞)



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