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3月末まで自助努力支援

韓信協の「銀行化」で民団



 民団中央本部(金宰淑団長)は15日、第7回中央執行委員会を開き、2002年ワールドカップ(W杯)支援募金、民族金融機関問題などについて討議した。

 当初10億円を目標にしたW杯募金は、長期にわたる不況などを考慮し、5億円に下方修正することで合意した。また在日韓国人後援会の李煕健会長が辞意を表明したことを受けて、後任会長の人選を団長に一任することが決まった。

 一方、民族金融問題については、前回の第6回中央執行委員会および三機関任員合同会議の決定によって民団・韓商・韓信協の3団体が特別委員会を構成するという三者共同合意声明(昨年12月25日)発表後の特別委員会の報告が行われた。

 報告では、特別委員会でこれまでの民族金融機関の自助努力が絶対的に必要だとする認識の一致をみたこと、2月13日に本国政府の方針を受けたことが報告され、協議の結果、次のような基本方針を確認した。

 (1)3月末まで韓信協が推進する合併・統合を通じた銀行化の努力を全面的に支援する(2)既存組合がある地方本部は該当組合の情報開示による経営実態を把握して対応策を協議、対処する(3)6月3日で管財人の管理期限を迎える大阪商銀が解散措置を受けないよう韓信協を中心に鋭意努力し、民団はこれを支援する(4)いわゆる「韓日銀行設立推進」の動きは上記と同じ全団的な動きに歩調を合わせ全同胞的な金融機関の設立に混乱と分裂を招く憂慮があるので活動を自制しなければならない。


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韓日銀行設立委員会に送付した
民団中央本部の文書(全文)

韓日銀行設立委員会
首席代表 孫性祖貴下

貴会の署名運動及び決起大会開催に対して

 拝啓、晩冬の候、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。

 さて、貴会が新銀行設立に向けて展開しようとしている署名運動及び決起大会開催に対して下記のような見解を申し上げます。敬具

1、昨年12月、これまで韓信協会員組合を牽引してきた関西興銀、東京商銀の破綻は在日同胞社会に大きな衝撃を与えました。民団はこの事態を重く受け止め、この難局を一致団結して乗り切ることを訴えました。さらに、信組設立当初の初心に帰り強固な金融機関を作り上げることが緊要で同胞社会の全力量を結集することを求めました。

2、そして、全同胞を結集させるうえで、韓国民団、韓商連、韓信協の3者が一致団結した取り組みが不可欠との認識のもとで協議し次のような合意事項に基づいて対処してきました。

(1)破綻組合の受け皿として全同胞的な銀行が急務(2)既存組合の合併統合等の自助努力を行い、銀行設立に参加する(3)三団体が一体となった体制のもと特別委員会を構成し、銀行設立の努力を行う

3、特別委員会で協議した結果、これまで民族金融機関が、在日事業者への資金供給源及び、同胞零細企業を支えてきた業績を踏まえれば、一つでも多くの信組に生き残ってほしいとの観点から、(1)経営責任にもとづいた情報開示(2)大阪商銀の譲渡期限は韓信協が責任を持って対処することを確認しています。従って、民団は韓信協の銀行化へ向けた作業の進展状況を鋭意注視しているところです。

4、こうした状況のなかで、貴会が独自な解釈に基づき「民団の新銀行設立構想が後退」との理由付けで、新たに決起大会開催や署名運動を展開しようとしていること、さらに全国の各級組織に対しての協力要請は、同胞社会が分裂しているとの印象を与え無用な混乱と誤解を生じると言わざるを得ません。

5、今、在日同胞社会が求めているのは破綻組合の受け皿として全同胞的な銀行を早急に確立することです。民団はこの確立に向けて在日同胞社会が一致団結するよう努力しています。


  ◇  ◇  ◇

 以上の趣旨をご理解のうえ、貴会の活動の自重、自制を強く求めるものであります。

2001年2月14日
在日本大韓民国民団
中央本部 団長 金宰淑

(2001.02.21 民団新聞)



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