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アルミ缶1トンが車椅子6台に

婦人会愛知、地元老人ホーム寄贈



うず高く積まれたアルミ缶の前で
運動の成果を喜ぶ
婦人会愛知のメンバー

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2年半かけ、コツコツ回収
心意気に打たれ、地元主婦や業者も協力

 同胞や日本のお年寄りに車椅子を贈りたい―。婦人会愛知県本部(朴甲順会長)は、2年半を掛けて集めたアルミ缶約1トンを元に車いすを購入し、6台を愛知県下にある在日同胞の社会福祉老人ホーム「永生苑」に贈った。ゴミとして捨てられるアルミ缶をコツコツと集めた結果だが、寄贈までに多方面の協力があっただけに、贈った側、贈られた側ともに金銭では表せない喜びを生んだようだ。

 同婦人会が、アルミ缶とプルタブを集めて車いすに代えて老人ホームに贈ろうと決議したのは、98年の第20回定期大会でのこと。朴会長が就任するに当たっての公約の一つでもあった。当初、静岡県にある環境組合が七百キロ分で車いす一台に換算するというシステムを利用して回収運動がスタートした。

 十四支部ある会員宅の家で消費したアルミ缶やスチール缶のプルタブ(アルミ製)はじめ、資源ゴミ収集日には近所からゴミ収集所に出されたアルミ缶を集めて回った。集めた缶やプルタブは、一つひとつきれいに洗浄したあと乾燥させて潰すのだが、時間も場所も手間もかかる作業だという。こうして役員会ごとに持ち寄り、本部七階の倉庫に保管してきた。

 このようなボランティア活動を知った名古屋日韓女性協会や中区、金山区の日本婦人会も協力を申し出た。サウナを経営する会員らも店舗から出される缶を持ち寄った。

 20世紀中に一区切りを付けようと昨年12月、総量を計ったところ、トラック一杯925sになった。婦人会員の知り合いの金属業者に、相場より高く引き取ってもらい、それを車いす購入の費用に充てることにした。

 永生苑から紹介を受けた車いす納入業者も、個々人の小さな力を集めたボランティアを後押ししようと、車いす一台強の費用で五台の車いすを販売してくれた。これで以前に確保していた1台を合わせて6台を寄贈することになった。

 車いす六台は13日、愛知韓国人会館の婦人会室で永生苑の姜岩童事務局長に寄贈された。

 朴会長は「一つひとつ洗ったり乾かして潰したり。本当に大変な仕事でした」と会員や協力者の努力に感謝しながら「でも皆の気持ちが一つになれば何でもできるという事実を証明したと思う」と語った。また車いすの寄贈を受けた姜事務局長も「皆様の真心に感謝し、これからも老人介護に頑張っていきます」と多方面の真心がこもった車いすに感慨深げだった。

 同婦人会では、今年は1円や5円など家庭に眠っている硬化を集めて、在日同胞社会や地域社会に貢献する運動を続けていきたいと意欲を燃やしている。

(2001.02.21 民団新聞)



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